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インド、クダンクラム5、6号機増設でロシアと一般枠組協定

2017年6月5日

両国首脳立ち会いの下で行われたGFAへの調印©ロスアトム社

 インド南端タミルナドゥ州に立地するクダンクラム原子力発電所に5、6号機を増設する計画について、インドとロシアは6月1日に一般枠組協定(GFA)、およびプロジェクトの実施に必要な政府間信用議定書に調印した。同発電所では100万kW級のロシア型PWR(VVER)の1、2号機が営業運転中のほか、同型設計を採用した3、4号機の起工式も昨年に実施。今回のGFAにより、Ⅲ期工事となる5、6号機についてもVVERとすることが明確化されるとともに、プロジェクトの開始に向けて両国の義務事項やコスト、その他の重要条件が規定された。インドは2032年までに原子力発電設備容量を6,300万kWとし、2050年までに総発電量に占める原子力の割合を25%まで拡大するため、国産加圧重水炉(PHWR)の建設を継続する一方、海外メーカーから大型軽水炉を導入する計画も進めている。マハラシュトラ州ジャイタプールでフランス製PWRを、アンドラ・プラデシュ州コバダでは米国製PWRを建設する方針だが、今のところこれらは着工に至っていない。片やロシアは、国際社会がインドへの原子力輸出を禁止する以前の1988年、すでにクダンクラムでVVERを建設する合意文書をインドと締結しており、2002年に1、2号機の建設工事を開始。これらはそれぞれ、2014年12月と今年3月に営業運転を開始した。

 GFAへの調印は、両国首脳による年次サミットがロシアのサンクトペテルブルクで開催されたのに合わせて、インド原子力発電公社(NPCIL)のS.K.シャルマ総裁と国営ロスアトム社傘下のエンジニアリング・グループであるASEグループのV.リマレンコ総裁が行った(=写真)。リマレンコ総裁は、GFAを締結するために両国がここ数か月の間、集中的に共同作業を進めていた事実に触れ、5、6号機をロシアの技術で増設する上で必要な手続がすべて完了したと指摘。プロジェクトは実施段階に移行すると明言している。

 クダンクラム1、2号機着工後の2008年、インドとロシアは同発電所3~6号機の増設および新たなサイトでの原子炉建設で合意した。2012年には「原子力平和利用分野における協力強化のための戦略的ビジョン」を締結。今後20年間にクダンクラムとその他のサイトで少なくとも12基の原子炉をロシアの協力で建設するという大規模な協力拡大構想を明らかにし、2014年にクダンクラム3、4号機増設計画のGFAに調印した。Ⅱ期工事にあたるこれら2基については、インドの規制当局が2016年1月に建設許可を発給。同年10月に建設エリアの基礎スラブとして、地表をコンクリートで固める作業が行われたほか、翌11月に大型機器の製造も開始されたが、3号機原子炉系統部分への最初のコンクリート打設は今月末に実施する計画だとしている。