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フィンランドのハンヒキビ建設計画で、英ロールス社と仏シュナイダー社が機器供給へ

2017年6月9日

 フィンランド中西部のピュハヨキでハンヒキビ原子力発電所1号機の建設計画を進めているフェンノボイマ社は6月8日、英国のロールス・ロイス社とフランスを本拠地とする重電メーカーのシュナイダー・エレクトリック社を主要な自動設備の供給業者に選定したと発表した。ロールス社はメイン・サプライヤーとして、原子炉機器・システムの機能的不具合を探知して防護策を起動するという安全関係の自動防護設備を供給。一方のシュナイダー社は、機器・システムをモニター・制御・防護する運転上の計測制御(I&C)系を供給するとした。契約の最終交渉が首尾良く完了すれば、合計数億ユーロの機器設計・納入契約をこれら2社に発注することになる。

 建設工事の準備作業段階にあるハンヒキビ計画では、出力120万kWのロシア型PWR(VVER)「AES-2006」を採用予定。2015年に原子炉系統機器の基本設計はVVERの中心的設計開発企業のギドロプレス社、原子力蒸気供給系機器など主要な長納期品はロシア国営総合原子力企業ロスアトム社の機器製造部門であるアトムエネルゴマシ社が受注した。それ以外の原子炉系統および発電機関係の資機材や設計、調達、計測制御(I&C)系の設計・納入はTITAN-2(T2)社が請け負ったが、フェンノボイマ社の要請により同社は2016年4月、安全性に関わるI&C系の初期段階の構造設計をロールス・ロイス社に発注すると発表。同年8月にはタービン発電系統の供給業者として、ロスアトム社がGE社傘下のアルストム・パワー・システムズ社を選定した。現在、同計画に携わるサプライ・チェーン企業381社のうち92%がフィンランド企業で、多くは専用道路の建設や公益設備と電線の敷設といった作業を実施中。今後、同計画で地元企業にさらなる事業機会をもたらせるよう、ロスアトム社はフィンランド原子力協会との協力により入札条件等を説明する場を継続的に設けるとしている。

 フェンノボイマ社に出資している主要企業は、電力多消費産業約60社で構成されるボイマ・オサケイティエ・グループ。原子力専門の発電事業者が含まれないことから、2012年に独E・ON社がハンヒキビ計画から撤退して以降、同社が原子力発電所を建設・運転する技術的能力や経済力に疑念を抱く声もあった。これに対してロスアトム社は、E.ON社が保有していたフェンノボイマ社株34%の引き取りを提案。同計画で160万kW級原子炉を建設した場合の優先交渉権は東芝に与えられていたが、ロスアトム社は2013年に東芝を退けてこの建設プロジェクトを受注した。フェンノボイマ社は2015年6月に建設許可申請書を経済雇用省に提出しており、2018年の許可取得と着工、および2024年の営業運転開始を目指している。