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フィンランドで建設中のオルキルオト3号機で冷態機能試験開始

2017年6月13日

 フィンランドのティオリスーデン・ボイマ社(TVO)は6月12日、オルキルオト原子力発電所で増設中の3号機(OL3)(PWR、172万kW)が冷態機能試験の開始段階に到達したと発表した。1次系機器の漏洩防止機能を確認するのが主な目的で、これに続く重要なステップとして今秋にも温態機能試験を実施する予定。これらの試験を成功裏に完了することは、2016年4月に雇用経済省に申請した運転認可の発給条件の1つであり、当初計画から大幅に遅延した同炉の建設工事も、ようやく2018年初頭の運転認可受領と同年末の営業運転開始という最終段階のスケジュールが明確化された。冷態機能試験は約4週間かけて行われることになっており、異なる圧力レベルで多数の試験を実施する。主冷却材ポンプも初めて起動する計画で、通常運転時を大幅に上回る最大値まで冷却系の圧力を徐々に上げていくとしている。

 TVOは2005年8月、国内産業や個人顧客に対する電力の安定供給、および温室効果ガスの排出抑制目標達成の観点から、チェルノブイリ事故後の欧州では初の原子力発電所建設計画となるOL3を着工。仏アレバ社製の第3世代設計である欧州加圧水型炉(EPR)としても初号機であったことから、下請業者による土木作業やフィンランド国内の規制手続などに想定以上の時間がかかり、完成予定年は当初計画されていた2009年から約9年遅れとなった。これにともない総工費も倍以上に膨らんだと言われているが、TVOは同計画が約30数億ユーロ(3,700億円以上)の固定価格によるターンキー契約であった点に固執。建設工事を請け負った仏アレバ社と独シーメンス社の企業連合は2008年、国際商工会議所(ICC)に仲裁手続を要請した。TVO側もこれに対抗して、同企業連合に追加支払経費の賠償を請求。TVOの昨年11月の発表によると、ICCはTVOを支持する中間判断を下したものの、賠償金額を含めた最終的な裁定が下されるまでには、さらに時間がかかるとみられている。

 OL3に続くEPR建設計画としては、2007年12月にフランス電力(EDF)が仏国内で初めて、同設計を採用したフラマンビル原子力発電所3号機増設計画を開始した。アレバ社傘下のクルーゾー・フォルジュ社が製造した原子炉容器で鋼材組成の異常が2015年に発見されたため、健全性の実証プログラムに時間を費やしていたが、最新のスケジュールでは今年中に電気機器の組立や全体試験を実施し、2018年第4四半期に燃料装荷と運転開始を予定している。また、中国の広東省では中国広核集団有限公司(CGN)がEDFから30%の出資協力を受けて、2009年からEPRを採用した台山原子力発電所1、2号機を建設中。CGN子会社が今年2月に香港証券取引所に伝えた情報によると、1号機は今年後半、2号機は2018年前半に営業運転を開始する予定である。