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韓国KHNP社、日立が英国で進める新設プロジェクトへの資本参加 検討中

2017年7月31日

 韓国の商業炉24基すべてを所有・運転している韓国水力・原子力会社(KHNP)は7月28日、日立製作所が子会社のホライズン・ニュークリア・パワー社を通じて進めている英国の原子力発電所新設プロジェクトに、資本参加することを検討中だと発表した。ホライズン社はウェールズ地方アングルシー島のウィルヴァ・ニューウィッド(=ウェールズ語で「新しいウィルファ」)原子力発電所計画、およびイングランド地方グロスターシャー州南部のオールドベリー原子力発電所計画で、合計4基の日立GE社製UK-ABWR(135万kW)を建設する方針。日立製作所の提案によりKHNP社は、ホライズン社に対する様々な側面からの協力について、現在、初期段階の評価を実務レベルで行っている。これらの原子力発電所の運営については、日立製作所と協議を行っていないとしたものの、契約が成立した場合は4基の運営を引き受ける可能性があると明言した。ホライズン社は2つの計画のうち、先行するウィルヴァ・ニューウィッド計画について、今年3月に原子力サイト・ライセンスを原子力規制庁(ONR)に申請。2019年後半の着工と2020年代前半の初号機運転開始を目指している。

 ホライズン社は2009年、ドイツの2大原子力発電事業者であるRWE社とE.ON社が50対50の出資比率で設立した。しかし、福島第一原子力発電所事故にともなうドイツ政府の脱原子力政策により、ドイツ国内の所有原子炉が複数閉鎖に追い込まれ、両社は経済的打撃を受けた。2012年3月に英国での新設プロジェクトから撤退する意向を表明した後、同年10月にBWRメーカーの日立製作所がホライズン社の全株式を取得している。ただし、発電所の運営には専門技術や能力が必要であるため、ホライズン社は米国のエクセロン社や日本原子力発電など、大手の原子力発電事業者と協力関係を結んだ。それ以外にも複数の協力パートナーを諸外国から迎えて、発電所の運転・保守管理、BWRの運用経験、人材訓練といった専門的スキルの移転を受けている。KHNP社との協力においては、原子力発電事業者としての能力の大幅増強を図りつつ、総工費の負担軽減を図る狙いもあると見られている。

 なお、KHNP社の親会社である韓国電力公社(KEPCO)は、東芝が英国のニュージェネレーション(NuGen)社を通じて進めているムーアサイド原子力発電所建設計画(120万kW級のAP1000×3基)に出資する可能性が報じられている。今年3月に東芝傘下だったウェスチングハウス社が再建型の倒産法適用を申請したことから、NuGen社に4割出資していたフランスのENGIE社は翌月、保有株すべてを東芝に売却する方針を発表。東芝は今月25日付けで買取り手続が完了し、差し当たりNuGen社の全株式を保有していることを明らかにした。買取り価格は158億6,200万円で、英国におけるAP1000の炉型認証費用等約36億円についても、東芝が負担することで両社は合意済み。しかし、NuGen社への新たな出資者としてKEPCOが参加した場合、採用設計は韓国製「APR1400」に変更される可能性もある。