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韓国原研、原子力発電所廃止措置技術の実用化で国内企業と協力契約

2017年9月5日

 韓国原子力研究所(KAERI)は9月4日、今年6月に国内で初めて永久閉鎖された古里原子力発電所1号機を韓国の技術で安全に廃止措置を取るため、KAERIが開発した関連技術を国内企業の協力により、本格的に実用化していくことになったと発表した。現場での作業に適用する前段階の技術を企業に移転し、共同で検証した上で使用可能とする契約を最終的に締結したもの。これにより、「技術と経験および人材を有する研究者が、現場で廃止措置作業を行う産業と協力していく基盤を準備できた」としており、2021年までに廃止措置技術の先進国と同等の技術水準達成を目指す方針だ。

 1978年に営業運転を開始した古里1号機は、2007年に約30年の設計寿命を迎えた後、運転期間を10年延長する許可を受けて2017年6月まで営業運転を継続した。閉鎖方針が確定した2015年当時、産業通商資源省(MOTIE)は2030年以降に世界の原子炉廃止措置市場が大きく成長するとの見通しの下、廃止措置技術を韓国で開発し、経験を蓄積していく考えを表明。同炉の永久停止宣言式で演説した文在寅大統領も、この閉鎖は韓国で原子力廃止措置産業を育成する契機になると指摘し、この産業で韓国を世界的な先進国とするためなら新政府は努力と支援を惜しまないと発言していた。事業者の韓国水力・原子力会社(KHNP)は、永久停止日から5年以内に廃止措置計画などを盛り込んだ申請書を規制当局に申請する予定だが、作業の完了まで少なくとも15年以上かかると予想されている。

 KAERIの発表によると、原子力発電所の廃止措置は、準備、除染、切断、廃棄物処理、環境の修復といった5つのステップに分かれており、必要とされる基盤技術は38に分類される。韓国では現在、このうち27技術を確保した状況にあり、廃止措置技術の先進国と比較して約80%を達成。残りの11技術もほぼ、実験室レベルの性能検証段階に入ったとしており、今回の契約では重要技術の実用化の可能性が高い4分野について、それぞれ専門企業を優先的に選定した。すなわち、(1)解体施設と敷地の残留汚染を現場で迅速に測定するシステムの構築と性能評価(FNCテクノロジー社)、(2)原子炉設備の解体プロセスをシミュレーションするシステムの構築、および遠隔解体プロセスのシナリオ総合検証(斗山重工業)、(3)ヒドラジンを使った還元除染法により原子炉や蒸気発生器、系統配管などの1次系を化学除染する試験装置の開発と性能評価(韓電KPS社)、(4)解体廃棄物の処理技術として金属廃棄物溶融装置やイオン交換樹脂熱化学処理装置の製作と実証(オービテック社、ソングァンT&S社)--で、2019年までに現場検証を通じて技術の完成度を高めたいとしている。