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米コネチカット州でミルストン原子力発電所への財政支援に道を拓く法案 成立

2017年11月1日

 米コネチカット州のD.マロイ知事は10月31日、州内で稼働するミルストン原子力発電所2、3号機(90万kW級と120万kW級のPWR)への支援措置を可能にする「ゼロ炭素電力の調達に関する法案(SB1501号)」に署名したと発表した。同法案は26日付けで州議会が承認していたもので、州政府のエネルギー環境防護省(DEEP)と公共事業規制局(PURA)が同発電所の将来的な経済性について実施中の評価の結果次第で、同発電所は再生可能エネルギーを対象とする無炭素電源の中に含められ、長期間の電力供給契約を結ぶことが可能になる。
 この経済性評価は州知事の行政命令により行われているが、同発電所を所有するドミニオン社はこれまでのところ、詳細な財務文書をDEEPらに提出していないと州政府は指摘。入手可能な資料のみを分析した31日付けの暫定結果によると、同発電所では現在の市場における義務事項がなくなる2022年以降、2号機の運転認可が満了する2035年まで、23億ドルの税引き後キャッシュフローが予期されるなど、高収益を上げられる見通しだ。電気料金を通じて同社が財政支援を受ける根拠となり得ない可能性があることから、州政府としては評価に正確を期すため、同様の状況にある他州の原子力発電事業者と同じように、財政支援メカニズムを正当化できる証拠書類の提出など、一層の協力をドミニオン社に促すとしている。

 コネチカット州は、ニューイングランド地方の独立系統運用者(ISO-NE)の管轄エリア内にあり、同ISOが運営する容量市場で卸電力の取引きが行われている。このためドミニオン社の主張としては、低価格な天然ガスなど、自由化された市場環境にあるイリノイ州やニューヨーク州の原子力発電施設と同じく、ミルストン発電所も過酷な財政問題に直面している。この主張を受けてマロイ知事は、州民にとって最良の道筋を決定するため、同発電所の運転継続にともなう将来までの経済性評価を7月25日付けの行政命令でDEEPとPURAに指示。同発電所を2027年7月以前に早期閉鎖した場合の影響についても、DEEPらは市場やエネルギー供給保証、燃料の多様化、送電網の信頼性確保、州内の温室効果ガス排出量などの観点から評価を行っている。
 今回成立した「ゼロ炭素電力の調達に関する法令」では、この評価作業が完了して州政府のアクションが州民の利益に資すると実証されれば、DEEPとPURAのコミッショナーがミルストン発電所を「有資格の原子力発電施設」と認定。全体として年間120億kWhを超えない発電量について、3年以上10年未満の長期電力供給契約を締結できるよう、1件以上の入札案内書を発出するとしている。