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トルコのアックユ原子力発電所建設計画、部分的建設許可に基づき着工

2017年12月13日

©ロスアトム社

 トルコ初の原子力発電設備としてアックユ発電所(120万kW級のロシア型PWR×4基)の建設を請け負ったロシアの原子力総合企業ロスアトム社は12月10日、地中海沿岸メルシン地区の建設サイトで部分的建設許可(LCP)に基づく建設工事を開始したと発表した。
 今年10月に発給されたLCPの下では、原子炉系統の安全性に関わる箇所を除くすべての部分で、建設工事と組立作業が可能。ロスアトム社傘下のプロジェクト企業であるアックユ原子力発電会社(ANPP)は、12月2日までに初号機の原子炉建屋部分で、基礎の地盤を整えるなどの準備作業が完了したことを明らかにした。全面的な建設許可については、2018年3月にトルコ原子力庁(TAEK)から取得し、それに基づき原子炉建屋で最初のコンクリート打設を行う計画。それをもって、同発電所は正式に本格着工したことになると説明している。

 サイトではこの日、部分的着工を祝う式典が開催され、ロスアトム社のA.リハチョフ総裁やトルコ・エネルギー鉱物資源省の第一副大臣に加えて、地元住民らが出席(=写真)。同総裁は祝辞のなかで地元住民に対する謝意を表明したほか、トルコにクリーンな電力の供給を約束する同発電所の建設計画を通じて、地元と実施している対話やトルコ企業による同計画への参加など、100年近い協力関係が結ばれることになるとの抱負を述べた。
 ロスアトム社の発表によると、これまでに完了した初号機の地盤準備作業にはトルコ企業が1社、すでに参加しており、日程通りに作業を終えた。建設工事と並行して、環境モニタリング活動もトルコの規制に従って実施中だが、建設計画を実行に移すことで、トルコのサプライヤーにも大きな事業チャンスが開かれたとロスアトム社は指摘。予備的試算の結果では、同建設計画における全作業の35~40%をトルコ側が受け持つ可能性があり、これは金額にして60億~80億ドルに達する。すでに350社以上のトルコ企業が、同発電所のインフラ設備の整備で正式サプライヤーとなるための申請を完了。現時点で、サイトで働く300名以上の作業員のうち、90%が近隣の4地区から来ている事実に言及した。また、エンジニアリングや技術サービス分野で高度に熟練したトルコ企業の専門家が、同計画に関わっている点も強調した。

 アックユ原子力発電所で採用予定の「AES-2006」設計はロシアにおける第3世代+の最新シリーズで、ロスアトム社によれば現行の規制すべてに準拠した安全システムを装備。レファレンス・プラントとなるノボボロネジ原子力発電所6号機(Ⅱ期工事1号機)は今年3月、同設計の採用炉としては初めて、営業運転を開始した。同設計を採用した4基がアックユ発電所で完成した場合、年間350億kWhの電力が少なくとも60年にわたって供給されることになると同社は指摘している。