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韓国の第8次電力需給基本計画:原子力の段階的削減へ

2017年12月19日

 韓国の産業通商資源省(MOTIE)は12月14日、今年から2031年まで15年間の電力需給見通しと電力設備計画を盛り込んだ「第8次電力需給基本計画案」を国会に報告した。
 原子力と石炭火力を段階的に削減していく一方、再生可能エネルギーを大幅に拡大するなど、エネルギーの転換を推し進める内容。現在建設中の原子炉はそのまま完成させるものの、新規の建設計画を白紙化すること等により、総発電量に占める原子力シェアを現在の30.3%から、2030年までに23.9%まで削減することを目指す。同計画案は今後、電力政策審議会での検討を経て、最終確定する予定である。

 この方針は、文在寅大統領が座長を務める閣議で10月に決定していたもので、その際に公表されたエネルギー転換(脱原子力)のロードマップに沿って、新たな計画案が策定された。現行の第7次計画が需給の安定性と経済性を中心に策定されたのに対し、第8次計画案では環境影響と安全性を重視しているのが特徴だとMOTIEは強調。発電所の建設推進よりも、需要管理を通じて合理的な需要目標を設定することに主眼を置いたと述べた。
 新規の発電設備は、大規模な原子力と石炭火力の開発一辺倒から脱却して、環境に優しい分散型の再生可能エネルギーおよびLNGを優先。現在、総発電設備容量のうち、原子力と石炭の合計が全体の2分の1を占めているが、2030年には全体の3分の1レベルに減少する。その一方で、9.7%だった再生エネの比重を拡大し、約3.5倍の33.7%とする計算。これにより、発電シェアについても、原子力と石炭の合計が15.6ポイント減少するのに対し、再生エネとLNGの合計が15.7ポイント増加することになるとしている。
 

                                         ©韓国政府

 
 原子力発電については、今年6月に同国の商業炉としては初めて古里1号機が永久閉鎖され、現在24基、約2,250万kWが稼働中だが、このうち経年化が進んだ10基、850万kWの運転期間延長は禁止するとした。すでに10年間の運転期間延長が認められて稼働中の月城1号機については、脱原子力ロードマップおよび原子力発電設備現状調査の結果として、2018年から発電設備から除外することを明記。同年の上半期中に経済性など運転の妥当性を総合的に評価した上で、閉鎖時期等を決定する。その後、永久停止のための運転変更許可申請などの法的手続に着手するとした。
 また、2007年~2010年にかけて着工していた新古里4号機と新ハンウル(新蔚珍)1、2号機は、そのまま完成させる。また、今年4月に原子炉建屋で最初のコンクリート打設が行われた新古里5号機と、来年4月のコンクリート打設に向け準備作業中の同6号機については、国民の意見を集約した公論化委員会の勧告により建設を継続。それぞれ2021年と2022年に竣工予定である。
 しかし、後続の新ハンウル3、4号機と天地1、2号機、およびサイトと呼称が未定の2基は、建設計画を全面的に白紙化。2022年の原子力発電設備は27基、約2,750万kWと、一旦拡大するが、2030年には18基、2,040万kWに縮減される見通しとなる。