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仏規制当局、フラマトム社傘下のクルーゾー社の操業再開を承認

2018年1月29日

仏原子力安全規制当局(ASN)は1月25日、フラマトム社(旧アレバ社)傘下の原子炉機器鍛造品メーカーであるクルーゾー・フォルジュ社について、監督活動を強化するなど一定の条件下であれば、国内原子力施設向けの操業再開を許可すると、フラマトム社および同社の親会社として国内の商業用原子炉すべてを所有するフランス電力(EDF)に伝えた。

2015年4月にアレバ社(当時)は、仏国内で建設中のフラマンビル原子力発電所3号機(FL3)(160万kW級PWR)の原子炉容器上蓋と下鏡で鋼材組成の異常が見つかったとASNに報告。これらを製造したクルーゾー社を調査したところ、1965年以降に製造された原子力部品約400点の品質証明書で製造記録に不正が認められるなど、大がかりな組織的、技術的欠陥が生じていたことが2016年にかけて表面化した。今回のクルーゾー社の操業再開承認については、同社の欠陥に対して十分な対策がフラマトム社らから講じられたとの判断に基づいている。

 ASNではすでに2017年4月、操業を再開させるにあたり必要とされる前提条件を、フラマトム社とEDFに通達。フラマトム社はこれらの根本原因を特定した上で、安全文化や技術的能力、製品品質、組織など各側面の改善計画を2016年初頭からクルーゾー社内で開始しており、EDFも、クルーゾー社における監視活動を強化したという。
フラマトム社の改善計画には、以下の具体策が含まれていた。すなわち、安全文化の評価や指導、金属工学関係の教育強化、測定不確実性の研究開発など工程管理関係の措置、監督体制の再構築、すべての要件を遵守しつつ同社の生産能力の保証を目的とした試験片の製造、これらの対策用に2017年と2018年に数百万ユーロを投資、などだ。
これらを進めつつ、フラマトム社は2017年10月、国内の原子力施設向けに耐圧機器の鍛造をクルーゾー社で再開したいとの考えをASNに連絡。改善計画の進捗率は現在90%で、今年前半にもすべての活動が完了する見通しだとした。また、このような活動は今後もクルーゾー社の改善プロセスに組み込まれ、その実施状況がすべての規制当局関係者や国内外の顧客に定期的に通達されることになるとしている。

 ASNはフラマトム社とEDFが講じた対策内容を分析するとともに、自らもクルーゾー社でいくつかの点検を実施。それらの結果およびフラマトム社らが提示した情報に基づき、ASNはこうした対策により満足の行く成果が得られたこと、将来的にも製品品質や規制上のコンプライアンスの保証が可能との認識に至ったと述べた。操業再開に際しては、容器や容器の下鏡を含む半球型機器、配管といった機器のタイプ毎の鍛造について、クルーゾー社の技術的能力を事前確認することになるが、現段階ではクルーゾー社における監督強化を維持する方針である。

 フラマトム社の同日の発表によると、クルーゾー社のチームが十分な技術力を開発・維持していくことは、安全文化の改善に特別な重点を置いた同社の改善計画の主要な要素である。同社を原子力用鍛造品製造の中核的拠点とするため、フラマトム社は2017年だけですでに750万ユーロ(約10億円)を投資済み。今年も同様の努力を推し進めていく計画で、今回ASNが操業再開を承認したのを受けて、インゴットの年間生産量を80個まで拡大する目標を掲げたことを明らかにした。