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インド:ジャイタプール発電所建設計画の実施で仏電力と産業枠組協定

2018年3月15日

©EDF

 インド南西部のジャイタプールで合計6基の160万kW級欧州加圧水型炉(EPR)を建設する計画の実施に向けて、フランス電力(EDF)は3月10日、機器の調達活動など産業界関連の枠組や仏印双方の役割と責任分担、次の段階の日程等を特定するための協定を、インド原子力発電公社(NPCIL)と締結したと発表した。
 仏印両国は2010年、同計画の最初の2基建設に関して枠組合意に達したものの、サプライヤーに一定の賠償責任を盛り込んだインドの原子力損害賠償法や建設予定地で激化した住民の抗議行動などにより、実質的な作業は棚上げとなった。さらに近年では、フランス原子力産業界の再編やプロジェクト・コストの問題等により、交渉が停滞していた。今回の協定により、EDFは同計画を実行に移すための決定的なステップが刻まれたと評価。総設備容量が約1,000万kWという世界最大級の原子力発電所建設で、かつて無いほど多くの地元企業が参加することになると強調している。

 EDFとNPCILの協定は、フランスのE.マクロン大統領がインドでN.モディ首相と会談したのを機に、両首脳立ち会いの下で調印された(=写真)。会談後の共同声明で両首脳は、今年末頃にジャイタプールで建設工事の開始を目指すことを改めて確認。同プロジェクトを通じて、コスト面に優れた電力やフランスからの財政支援がインドにもたらされるほか、同発電所の全運転期間で必要な燃料供給が保証されていること、機器製造技術のインドへの移転で協力することなどを明らかにした。

 今回の協定に基づいてEDFは、EPR技術のサプライヤーとしてEPR建設に関するこれまでの経験をNPCILに提供する。最初の2基に関するエンジニアリング調査と機器調達活動をすべて引き受けるが、残りの4基については、調査と調達活動の一部をインド企業に割り当てることを検討しており、最後の2基にインド企業が参加する割合は60%に達する可能性があるという。
 これらを通じて同プロジェクトは、モディ首相が2014年に提唱した外国資本の投資呼び込み政策「メイク・イン・インディア」と、国内の技術者養成政策「スキル・インド」に沿ったものになるとEDFは指摘。また、2030年までに非化石燃料による電力比率を40%に引き上げるというインド政府の目標達成にも貢献できるとした。一方、完成した発電所の所有者兼運転者となるNPCILは、全6基の建設とサイト・インフラに関するすべての許認可や認証の取得に責任を負うことになった。

 EDFはこのほか、同プロジェクトの運営基盤構築を目的に、2種類の協力協定を仏印両国の企業と締結したことを明らかにしている。1つはエンジニアリング調査における共通項目の設定に関するもので、相手企業はフランスの原子力エンジニアリング・研究開発サービス企業であるアシステム社、大手建設企業のブイグ社、インドの有力財閥であるリライアンス・グループ、および国際的なエンジニアリング企業のイージス社である。EDFはこれら4社と合弁事業体を形成するため、今後数か月間で協働作業の規則を特定する。また、同事業体の51%を保有した上でエンジニアリングの統合責任を負い、プロジェクトの競争力強化と地元企業の参加促進に力を入れるとした。
 もう1つは、インドの総合重機メーカー最大手のトゥブロ&ラーセン社、フランスの試験・検査認証企業であるビューロー・ベリタス社、および「原子力発電所の設計・建設基準に関するフランス協会(AFCEN)」と結んだ協定。これら3社との協力により、EDFはフランス原子力産業界で良好とされている規格(RCCコード)に適合した機器を設計・建設するための訓練センターを創設する。同センターでは、ジャイタプール計画に使われる機器の製造で、インド企業が技術基準を満たせるよう訓練することが主な目的だと説明している。