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エネ庁「学生フォーラム」、地層処分問題解決に向け「若い人たちのアイデアを」(2)

2018年3月20日

 「経済産業省に政策提言!」と題し、高レベル放射性廃棄物処分の課題解決に向け若い人たちからアイデアを求める「学生フォーラム」(資源エネルギー庁主催、3月13日、上智大学四谷キャンパスにて開催)は、後半、グループワークに移った。ここでは、学生たちが5、6名ずつの3グループに分かれ、それぞれ原子力発電環境整備機構の職員1名がサポートしながら、高レベル放射性廃棄物の最終処分場を受け入れる市町村の立場になって「町づくり」に取り組んだ。

学生グループが自治体となって「町づくり」を、模擬住民説明会も
 各グループは、最終処分場の受入れを検討する自治体(A村、B町、C町)となって、それぞれの町や村が描く将来構想のもと、地域振興策を立案し、立地のポジティブ面やネガティブ面に対する住民理解の方策について取りまとめた上で、グループの代表が「首長」、他グループ学生が「住民」となった模擬説明会に臨み、発表、質疑応答を行った。
 再稼働が進まぬ原子力発電所を立地するA村は、少子高齢化による村消滅の危機を脱するべく処分場の受入れ検討に至ったとしており、これまでのエネルギー政策への関わりも活かし、エネルギーについて皆が楽しく学べる「エネルギーパーク」を中核とする「村の存続のためのサスティナブルパーク」構想を打ち出した。A村長によると、「エネルギーパーク」は、雇用の創出や観光業の発展だけでなく、全国各地から修学旅行生を受入れることで教育の場も提供するとしている。これに対し、「住民」からは、最近閉園した福岡県の「スペースワールド」などを例に、テーマパーク運営の難しさを指摘する意見があった。
 「みんなで創る、誇れる町」をコンセプトとするB町は、鉄道廃線により商業施設が衰退したいわゆる「シャッター通り」の町を想定し、まずは将来を担う若者が住みやすい町を作るための財政確保を図ることを目指している。その上で、住民理解活動や、最終処分場の選定プロセス「文献調査」、「概要調査」、「精密調査」の各段階で整備すべき施設や制度について具体的な計画を示した。B町長は、「文献調査」の段階から設置する「住民議会」には、高校生も参加させ若い世代の声を「町づくり」に反映することを約束したほか、立地のメリットの一つとしてあげた生活環境改善に関し、ホテルや病院を整備するとしたのに対し、「住民」からは、調査が途中で中止した場合の施設維持を懸念する声があがった。
 また、都心から近いベッドタウンを想定したC町は、スウェーデンで処分地として選定されたエストハンマルと姉妹都市提携を結び、相互の意見交換を通じ理解を深めていくことを掲げた。C町長は、処分場の建設工事が生活環境にもたらす不安などをあげながらも、エストハンマルとは交換留学を行い、若い世代の理解にも努めるとして、「粘り強く対話を重ねることで不安は解消できる」ことを強調した。

 
 3つの「町づくり」構想を受け、資源エネルギー庁放射性廃棄物対策広報室長の吉村一元氏は、「ダイナミックでリアルだった」と所感を述べ、100年以上の長期にわたる処分事業が立ち向かう「期間の壁」に対し、それぞれの「町長」、「村長」は答えてくれたなどと評価した。 (完)

*「エネ庁「学生フォーラム」、地層処分問題解決に向け「若い人たちのアイデアを」(1)」はこちらをご覧下さい。