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エネ調基本政策分科会が30年ミックスの実現に向け全体整理、原子力小委の議論も盛り込む

2018年3月27日

 総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会(分科会長=坂根正弘・小松製作所相談役)は3月26日、エネルギー基本計画見直しの議論に関する全体整理を行った。2014年策定の現行計画について、「骨格を変える段階にはない」とする世耕弘成経済産業相の方針のもと、昨夏より検討を進めてきたもので、2030年エネルギーミックス(電源構成で、火力56%、原子力22~20%、再生可能エネルギー22~24%)実現に向けた課題や対応の方向性を整理し、委員からの意見を求めた。
 その中で、原子力政策に関しては、「依存度低減、安全最優先の再稼働、重要電源」を掲げた上、20日の原子力小委員会で行われた議論の整理を踏まえ、(1)さらなる安全性の向上、(2)防災対策・事故後対応強化、(3)核燃料サイクル・バックエンド対策、(4)状況変化に即した立地地域対応、(5)対話・広報の取組強化、(6)技術・人材・産業の維持・強化――を対策として盛り込んでいる(=図、資源エネルギー庁発表資料より引用)。資源エネルギー庁の説明によると、新規制基準適合性審査と再稼働の現状から、「『2030年度に原発比率22~20%』の目標は達成できるもの」としており、1基当たり、燃料コストで350~630億円/年、CO2排出量で260~490万トン/年の削減効果となることを示した。
 これに対し、豊田正和委員(日本エネルギー経済研究所理事長)は、原子力発電を巡る「司法のリスク」や人材や産業基盤の衰退などを懸念した上で、IAEAなどと連携した国際標準や新増設が検討される必要性を、橘川武郎委員(東京理科大学イノベーション研究科教授)は、「審査が申請されていないプラントがまだ17基もある」として、現行のエネルギーミックス実現に厳しい見方を示した。
 さらに、西川一誠委員(福井県知事)は、「原子力については、比率を実現するための年数や困難さが他のエネルギーとは異なる」と述べたほか、バックエンド対策が停滞している現状から、「廃炉や使用済み燃料の中間貯蔵を含めた総合的な政策を策定し、国が前面に立って進めていくことを明らかにすべき」などと主張した。
 この他、原子力比率について「『可能な限り低減』の意味が全然議論できていない」(辰巳菊子委員〈日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問〉)、バックエンド対策について「海外の知見・経験を広く共有する取組が必要」(増田寛也委員〈野村総合研究所顧問〉)、製造業の立場から「エネルギーコストの上昇は将来世代の職場を奪うことにもつながる」(伊藤麻美委員〈日本電鍍工業代表取締役〉)といった意見が出された。
 今後、基本政策分科会は、2050年を見据えた「エネルギー情勢懇談会」の議論について報告を受け、6月にかけてエネルギー基本計画見直しに向けた最終的取りまとめに入る運びだ。