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カナダの運転期間延長計画で取替用大型機器を発注

2018年4月25日

©ブルース・パワー社

 カナダのブルース・パワー(BP)社は4月23日、オンタリオ州で運転を担当しているブルース原子力発電所(=写真)の運転期間延長計画の一環として、総額9億1,400万カナダドル(約775億6,000万円)で複数の取替用大型機器を発注したと発表した。
 同発電所で稼働する原子炉8基(各80万kW級カナダ型加圧重水炉)のうち6基について、大型機器取替(MCR)プロジェクトを2020年から2030年まで実施することになっているため、蒸気発生器(SG)やカランドリア管などの製造納入契約を地元企業4社と締結したもの。この計画を通じて、同発電所の運転期間を2064年まで延長し、低コストで無炭素な電力を継続的にオンタリオ州に供給していくとしている。同州はすでに、2014年に州内の石炭火力発電所を全廃。戦略として進めてきた原子力と再生可能エネルギーにより、供給エネルギーのクリーン化に成功している。

 カナダでは5~9年前まで、ダーリントン原子力発電所で2基、ブルース原子力発電所で4基増設する計画が進められていたほか、オンタリオ州ナンティコックとアルバータ州ピースリバーでは新規建設計画が存在した。しかし、これらは現在すべて中止されており、既存の原子力発電設備を最大限、有効活用していく方針になっている。主要3サイトを擁するオンタリオ州では、州内の総電力需要量の30%以上を原子力で賄っており、州政府が推進する「供給エネルギーのクリーン化戦略」に基づいて、ダーリントン発電所(90万kW級加圧重水炉×4基)では2016年から10年間の大規模改修計画が進行中。ピッカリング発電所(50万kW級加圧重水炉×6基)でも、運転期間を2024年まで延長する計画が承認済みである。

 ブルース発電所の8基はすべて、1970年代後半から1980年代後半にかけて営業運転を開始した。ひと足先に改修工事を終えた1、2号機が2012年に再起動した後、残った3~8号機の運転期間延長計画が、総投資額130億加ドル(約1兆1,031億円)で2016年1月から始まっている。
 BP社は今回、4基分の取替用SGとして、合計32台を設計・製造させる契約を米BWXテクノロジーズ(BWXT)社のカナダ法人に6億4,200万加ドル(約544億8,100万円)で発注。これに加えて、レイカー・エナジー・プロダクツ社が1億4,400万加ドル(約122億2,000万円)で流量検出器や取り付け具などを、カメコ・フュエル・マニファクチュリング社が6,200万加ドル(約52億6,300万円)で6基分のカランドリア管と環状スペーサを、Nu-Techプレシジョン・メタルズ社が6,600万加ドル(約56億円)で2基分のジルコニウム合金製・圧力管を製造することになった。

 BWXTカナダ社は、今回の取替用SG契約は同社にとって過去最大規模になると説明。これを受注したことで、州内のケンブリッジ工場では2030年まで長期間の仕事が約束されたと歓迎した。BP社は運転期間延長計画により、ケンブリッジ市のみならず、オンタリオ州全体にも経済的効果をもたらすことが出来ると指摘。同社のサプライチェーンは、必要とする資機材・サービスの90%を州内で確保しており、州経済に対する投資額は年間40億加ドル、毎年創出・維持している雇用数は22,000人にのぼると強調している。