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米GEH社のSMR開発にドミニオン社が出資参加

2018年5月22日

「BWRX-300」の概念図©GEH社

 米国のGE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社は5月21日、独自に開発している出力30万kWの小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」計画に、大手原子力発電事業者のドミニオン・エナジー社が出資参加することになったと発表した。
 ドミニオン社は現在、3サイトで6基の商業炉を運転中であり、GEH社は潜在的な顧客の参加は製品開発にとって非常に重要であると指摘。ドミニオン社の出資によって、「BWRX-300」の商業化を加速することになるとしたものの、現段階ではドミニオン社のどの発電所サイトにおいても「BWRX-300」の建設計画はないことを明らかにしている。

 「BWRX-300」の設計は、GEH社が2014年に原子力規制委員会(NRC)から設計認証(DC)を受けた150万kW級の第3世代+(プラス)設計「ESBWR(高経済性・単純化BWR)」がベースになっている。原子力産業界が長期的に存続していく上で不可欠のパラメータである経済性を大幅に改善したと強調しており、1MWあたりの資本コストは、既存の大型原子炉や他の軽水冷却式SMRと比べて最大60%の低減を目指すとした。これが達成できれば「BWRX-300」はコンバインド・サイクル・ガス発電や再生可能エネルギーとも競合可能な、最も経済的な設計になる見通しである。
 また、冷却材喪失事故(LOCA)の発生率ゼロも目標の1つで、そのために設計を大幅に簡素化。これにより、プラント体積がESBWRから90%削減され、製造・建設と運転・補修が以前よりも容易になるほか、敷地面積もごくわずかで済むとした。さらに、自然循環を活用した受動的安全設計を採用しており、深さ約20mの立て坑に設置するため、天然の防護効果も得られると説明している。

 同設計への出資を決めたドミニオン社は、「経済成長を支える上で必要な電力の供給、それもクリーンで信頼性が高く、コスト面でも優れている原子力は重要な役割を担っている」と指摘。「BWRX-300」の開発でGEH社が追求している技術革新は、市場においても強力な競争力を持ち得るとの認識を示した。

 ただし、ドミニオン社には今のところ、従来型の大型原子力発電所についても具体的な新設計画はない。2017年3月にNRCは、ESBWRを採用した同社のノースアナ3号機建設計画に対して建設・運転一括認可(COL)を発給したが、同社は建設への移行判断はさらなる評価作業に基づいて下すと述べた模様。現地の報道では、同計画で見積もった資本コストが大幅に上昇したことから、消費者グループがこの建設に反対。地元州の公益事業委員会も、建設を承認していないと伝えられている。
 同社はまた、バージニア州で運転中のノースアナ1、2号機とサリー1、2号機で2回目の運転期間延長を2019年以降に申請し、合計80年間運転継続する計画があることをNRCに連絡済み。コネチカット州のミルストン2、3号機についても、同様の可能性があることを示唆している。