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独内閣、2011年8月の早期閉鎖にともなう事業者への補償法案を承認

2018年5月25日

 ドイツ内閣は5月23日、福島第一原子力発電所事故後の2011年8月に早期閉鎖させた原子炉8基の事業者に対し、相応の財政補償を行うための法案を承認したと発表した。
 この法案は、カールスルーエの連邦憲法裁判所が2016年12月に下した裁定に沿って策定されたもの。2011年の第13回改正原子力法に基づく脱原子力政策の一環として、これら8基では過去の法改正で保証されていた残余運転期間が抹消され、事業者がそのために実施した投資への補償がないことは「財産権の違法な侵害に当たる」と同裁判所は判断。その上で、2018年6月末までに補償のための規則を新たに制定するよう連邦政府に命じていた。補償総額について連邦政府は、2022年に国内すべての原子炉が閉鎖された後に市場価格等に基づいて計算・確定するため、現時点では明示できないと説明している。

 ドイツでは2001年、原子力に反対する当時の政権が電力業界と脱原子力協定を締結し、既存の原子力発電所はそれ以降の法定発電枠として総計約2兆6,000億kWhの発電が許された。2009年になると右派中道政権が発足し、原子力を再生可能エネルギーで代替可能になるまでの「橋渡し技術」とする考え方の下、年間23億ユーロの課税と引き替えに運転期間を平均12年間延長する法改正が2010年に行われた。しかし、翌年に福島第一原子力発電所事故が発生したため、A.メルケル首相は1980年以前に運転開始した古い原子炉7基と長期停止中だった1基を、安全審査のために直ちに3か月間暫定停止するよう地元州政府に指示。これら8基は再起動することなく2011年8月に早期閉鎖され、この時点で残っていた9基もすべて2022年までに段階的に閉鎖されることが決まっている。

 今回承認された法案について環境大臣は、「2011年に決定した脱原子力政策の継続的な促進を保証するものであり、2022年末の脱原子力達成に向けて、現在残っている7基の最終閉鎖日程が改めて確認された」と強調。第13回改正原子力法が基本的に合憲であることことは憲法裁判所も認めており、後は憲法上それほど重要でない部分の課題を解決するだけだと述べた。
 同法案で承認された補償項目は2つあり、1つ目はドイツのRWE社とスウェーデンのバッテンフォール社がそれぞれ出資していた原子炉の残余発電枠に対するもの。2社はこの発電枠を2022年までに他の事業者に売却するか、その分の補償を連邦政府に求めることが可能だとした。もう一方は、これら2社にE.ON社とEnBW社を加えた合計4社が、2010年10月から2011年3月までの間に行った投資に対するもので、事業者は適切な額の補償を請求できるとしている。