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福島第一トリチウム水の取扱いで説明・公聴会が郡山市と都内で開催、昨日の富岡町に続き

2018年8月31日

 福島第一原子力発電所敷地内に貯蔵されているトリチウム水の取扱いに関する説明・公聴会が8月31日、福島県郡山市(午前)と都内(午後)で行われた。資源エネルギー庁の有識者小委員会が風評被害などの社会的影響も含め、今後の総合的検討に資するため実施したもので、30日には福島県富岡町で行われている。
 郡山会場では14名が意見を表明した。その中で、富岡会場に続けて意見表明を行った東京・西東京市在住の植田魅具氏は、トリチウム水を電力消費地として「東京で処理すべき」と繰り返し主張した。トリチウムの除去に関しては、ベラルーシと共同で農作物の放射能汚染対策で調査・実証試験に取り組む研究者から、放射性セシウムの移行抑制に関する知見に基づき、有用微生物群が効果を持つ可能性が示されたほか、浄水で用いられる高分子凝集沈殿処理法の応用など、技術的提案もあった。
 一方で、風評被害の深刻化や、トリチウムによる健康影響、責任の所在に関わる不安などから、海洋放出に強く反対する意見が多く出されたほか、「海洋放出を前提としたアリバイ作りの公聴会にしないで欲しい」、「国民全体で考え、海外からも意見を聴くべき」といった公聴会のあり方に関する批判の声もあった。いわき市の元高校教員・八巻俊憲氏は、環境倫理の3原則(生態系の生きる権利、未来世代への責任、地球は有限)を示し、海洋放出はこれに反するとして、大型タンクに保管し放射能レベルの自然減衰を待つ方法を主張した。
 東京会場(千代田区)では16名が意見を表明し、「新技術を試さず、安易に処分方法を示すのは愚の骨頂。オールジャパンで、ありとあらゆる対策を考えるべき」といった小委員会での検討不十分を指摘する声や、汚染水の増加を抑制する工法やトリチウム水の資源利用に関する提案などがあった。また、行政に対する強い不信感から、トリチウム水を廃棄する際、その周辺自治体について「住民投票を必ず行うべき」などと、合意形成のあり方を巡る意見もあった。