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エネ庁小委員会、福島第一トリチウム水の取扱いについて公聴会の意見を整理

2018年10月2日

 福島第一原子力発電所に貯蔵されるトリチウム水の取扱いに関する資源エネルギー庁の小委員会が10月1日に行われ、8月に福島県と都内で実施した説明・公聴会における意見を整理し議論した(=写真)。今後の廃炉進捗に伴う敷地の確保から、タンクに貯蔵されているトリチウム水の処分が喫緊の課題となっているが、小委員会では、専門家タスクフォースによる技術的評価を踏まえ、風評被害などの社会的影響も含め総合的検討を行っている。
 冒頭、8月30日に福島県富岡町で、31日に同郡山市と都内で行われた説明・公聴会を振り返り、資源エネルギー庁より、会場での陳述および書面による意見について、(1)処分方法、(2)貯蔵方法、(3)トリチウムの生物影響、(4)トリチウム以外の核種の取扱い、(5)モニタリング等のあり方、(6)風評被害対策、(7)合意形成のあり方、(8)その他――に大別し説明がなされた。処理水の安全性や風評被害への懸念、これに伴い海洋放出に反対する声など、様々な不安に対しどのように応えていくか、小委員会で議論していくとしている。
 合意形成のあり方に関連して、富岡会場でトリチウム水の海洋放出が「福島県の漁業に壊滅的打撃を与える」とする漁業関係者からの強い懸念があったことなどから、市民対話活動に取り組む崎田裕子氏(ジャーナリスト)は、「地域の方々にきちんと情報提供する機会を持って欲しい」と訴えた。
 また、公聴会における意見整理の中で、トリチウム以外の放射性物質残存の可能性を指摘し、「小委員会での議論の前提が覆っている」といった批判もあり、1日小委員会では、汚染水処理の全般について、東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの松本純一氏が改めて説明に臨んだ。
 松本氏は、「建屋内滞留水に含まれるトリチウムを除く62核種の放射能濃度を、告示濃度限度未満まで低減できる」と、多核種除去設備(ALPS)の機能を示し、2013年度以降、3つのフェーズで、リスク低減目標を踏まえてALPSを運用してきた実績を述べた。その上で、告示濃度を超過した核種があったことについて、(1)処理前の水の放射能濃度の分布、(2)吸着材の性能低下、(3)設備不具合・除去性能不足――などと要因を説明した。吸着材の性能低下については、特に、ヨウ素129が、複数の吸着材を要することや化学的性質などから、処理後の放射能濃度に大きな変動幅が生じるとしている。現状では、吸着材の交換頻度を上げることで、告示濃度限度未満まで除去可能だとしており、処理水を貯蔵したタンク群については、満水となるエリアから順次放射能濃度の測定を実施するとした。
 小委員会では、次回以降、他の論点についても議論していく。