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英廃止措置機構、廃止措置研究で大学と産業界の連携プログラム

2018年10月3日

 英国の原子力廃止措置機構(NDA)は9月24日、放射性廃棄物の管理で直面する様々な課題に取り組むため、原子力産業界の専門家と大学の研究者や学生等を連携させるという総額940万ポンド(約13億8,900万円)の共同研究プログラム「TRANSCENDS」を公表した。
 放射性廃棄物の統合的な管理はNDAの主要テーマの1つであることから、政府とともに関連業務に携わっている企業その他から助成金を集め、それぞれ最長4年間という研究プロジェクト40件を支援。次世代の原子力専門家を育成する一助とするとともに、放射性廃棄物管理に必要な技術的解決策を開発していくとしている。

 助成金の中心部分となる460万ポンド(約6億8,000万円)を出資するのは、工学・物理科学分野の主要な研究助成機関である英国工学・物理科学研究会議(EPSRC)で、パートナーとして国防省から核抑止プログラムを受託しているAWE社、原子力関係の専門家サービスを国内外に提供しているキャベンディッシュ・ニュークリア社、カンブリア州で低レベル放射性廃棄物の処分場を管理するLLWR社、英国立原子力研究所(NNL)、高レベル放射性廃棄物等の地層処分で実施主体となる放射性廃棄物管理会社(RWM)、NDA所有の廃炉施設許可会社であるセラフィールド社、科学・エンジニアリング分野でコンサルティング・サービスを提供しているテュフズード・グループの原子力技術会社が参加。
 これらの企業は研究プロジェクトに資金を直接的に拠出、あるいは廃棄物の監督に関する専門知識を提供するほか、研究者用訓練施設の貸与を通じて支援を行うことになっており、最終的な拠出額は900万ポンド(約13億3,000万円)を超える見通しである。同プロジェクトで研究作業に携わるのは、大学の博士課程に在学中の学生や同課程を終えた研究者などで、それぞれの指導教授や産業関係の教官も対象。産業界からは技術的な専門家も含まれるとしており、双方向で最大限の知識移転を保証することになる。
 
 「TRANSCENDS」は、「原子力廃止措置に変革を起こす科学とエンジニアリング」の頭文字を取った名称で、2013年に終了した関連の「DIAMOND」プログラムと、2019年初頭に完了する「DISTINCTIVE」プログラムに基づくもの。リーズ大学の主導により英国内の11大学が連合して参加する計画で、取り上げる研究課題はNDAの主要なテーマと一致する。すなわち、(1)統合された廃棄物管理、(2)サイトの廃止措置と浄化、(3)使用済燃料、(4)核物質――となっている。

 (参照情報:NDA発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」