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ロシアが海上浮揚式原子力発電所で燃料を初装荷

2018年10月4日

©ロスアトム社

 ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社によると、世界で唯一の海上浮揚式原子力発電所(FNPP)として建設中の「アカデミック・ロモノソフ号」で、10月2日に燃料の初装荷作業が完了した(=写真)。
 同FNPPは燃料を装荷前の今年4月、サンクトペテルブルクのバルチック造船所(BZ)から曳船で出港し、現在、ノルウェーとの国境に近い北極圏のムルマンスクで、ロスアトム社の子会社であるアトムフロート社の敷地に係留されている。搭載している2つの小型原子炉「KLT-40S(PWR、出力3.5万kW)」で燃料の装荷を終え、同FNPPでは臨界条件の達成に向けた準備作業の第2段階が完了。2019年にも最終立地点である極東地域北東部、チュクチ自治管区内のペベク市に北極海経由で曳航され、営業運転を開始することになる。

 製造にあたっているBZでFNPPの建設と操業を担当する局長は、今年中に同FNPPの最終的な技術プロセスをすべて完了すると説明した。燃料装荷は主要な作業の1つだったが、今後は連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)の許可を得た上で、11月までにこれらの原子炉で臨界条件を達成。定格出力に達する前の段階では、総合的な初期検査も実施する計画である。
 今のところペベク市では、港湾施設や陸上設備などのインフラ構造物を建設中だが、これらはアカデミック・ロモノソフ号を安全に係留するとともに、エネルギー供給を確実に受ける際に必要となる。チュクチ自治管区では、1970年代から電力需要の約80%を賄ってきたビリビノ原子力発電所(1.2万kWのRBMK×4基)が2019年から順次、閉鎖される予定。FNPPは同発電所やチャウンスカヤ熱電併給発電所に代わり、同地区の主要発電設備として電力と熱エネルギーをもたらすとしている。

 (参照資料:ロスアトム社発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月3日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)