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IAEA、HLWの処分で国際的な実施主体団体との協力を強化

2018年11月1日

©IAEA/W. Picot

 国際原子力機関(IAEA)は10月30日、高レベル放射性廃棄物(HLW)や使用済燃料を安全で効果的かつ確実に処分する解決策を開発するため、世界各国のHLW処分実施主体の集まりである「放射性物質環境安全処分国際協会(EDRAM)」との協力・調整を強化すると発表した。
 廃棄物の処分方法の中でも特に、深地層処分(DGD)の開発は数十年の時間が必要になることから、IAEAは現在、この関連で得られた知見を維持・継承するための経験やアプローチについて、加盟各国から情報を収集中。EDRAMはIAEAが進めるこのプロジェクトに対し、戦略的評価の共同実施などを提案している。

 IAEAがウィーン本部で開催した両者の会合には、日本の原子力発電環境整備機構(NUMO)を含め、カナダやフィンランド、フランス、ドイツからEDRAMに所属する国家的組織のトップが出席(=写真)。EDRAMには現在、11か国の処分実施主体が加盟しており、NUMOの近藤駿介理事長はEDRAMの議長職を務めている。IAEA側からは、J.C.レンティッホ原子力安全・セキュリティ担当次長やM.チュダコフ原子力エネルギー担当次長らが会合に参加。HLWと使用済燃料のDGDも含め、包括的な国家放射性廃棄物管理戦略を実施する際の重要課題について議論した。
 また、操業中と封印後の両段階の深地層処分場について、セーフティ・ケースの開発・審査を行うプロジェクトなど、IAEAにおけるその他の活動に関しても協議が行われた。

 同会合では、世界中で数十年間にわたり放射性廃棄物が安全・確実に管理されているものの、再処理するか否かなど用途が定まらない使用済燃料やHLWを処分する施設が未だに1つも稼働していない点が指摘された。しかし出席者らは、フィンランドとスウェーデンおよびフランスでは、処分場開発が着実に進んでいる点に注目。レンティッホ次長はIAEAとして改めて、「放射性廃棄物を安全に管理する唯一の解決策は、IAEAの安全基準でも説明されているように、処分することだ」と述べ、これにはHLWと使用済燃料の地層処分が含まれるとした。IAEAはこのような原則に従って、加盟国の廃棄物管理を支援していくとしている。
 EDRAMの近藤会長は、「EDRAM内においても国際機関との間でも、我々はみな、関係する諸問題について継続的に情報交換していく必要がある」と指摘。その上で、そうした情報を技術面や産業面の観点からステークホルダーに説明できるよう、互いに異なる点や共通する事項について、非常に深く理解することが必要との認識を表明した。

 (参照資料:IAEAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの10月30日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)