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東芝によるNuGen社の解散決議に同社がコメント

2018年11月9日

 11月8日に東芝が英国の新規原子力発電所建設事業から撤退する判断を下したのにともない、解散することが決定した英国事業者のニュージェネレーション(NuGen)社は同日、「当社がプロジェクトから手を引いても、カンブリア州ムーアサイドが英国政府の指定した原子力発電所新設サイトであることに変わりは無い」とのコメントを発表した。
 2009年に設立された同社は、2014年に東芝がスペインのイベルドローラ社などから買収。2017年3月に東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社が破産処理手続を申請した後は、同社株を40%保有する仏ENGIE社が撤退し、東芝の100%子会社となっていた。コメントの中でNuGen社は、「サイトのオーナーに立ち返る英原子力廃止措置機構(NDA)とともに、英国政府がムーアサイドの将来を決定していくだろう」と指摘。同地域におけるプロジェクトへの支持を背景に、英国のエネルギー供給保証とカンブリア州経済の活性化のため、同サイトで新たな原子力発電所を建設することは非常に重要との認識を示した。

 東芝はムーアサイドでWH社製AP1000を3基、建設することを計画。2024年以降に初号機の完成を目指していたが、WH社の破産を受けて、NuGen社への新規出資者募集と同社株の売却検討を開始した。8日の取締役会で東芝は、2018年度中に売却完了の見通しが立たないことと、同社の維持費用の継続負担等を勘案して同プロジェクトからの撤退を決定。NuGen社および同社株の保有を目的とした連結子会社のアドバンスエナジーユーケー(AEUL)社も、2019年1月末までに解散の手続を開始するとしている。

 NuGen社のT.サムソンCEOは、株の売却先を見つけられなかった理由として、売却交渉を進めている最中に、英国政府が新規原子力発電所建設プロジェクトの持続可能な資金調達モデルとして「規制資産ベース(RAB)モデル」の導入を勧告した点を挙げた。同CEOは、「残念なことにRABモデルは未だ開発の初期段階にあり、政策として適用が決定するまでには長期の法的手続が必要だ」と指摘。NuGen社の株売却には間に合わなかったが、RABモデルは新規の原子力発電所プログラムを持続させる正しい答えであり、事業者が負わねばならない莫大な財政リスクへの取り組みが可能になると述べた。

 (参照資料:NuGen社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月8日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)