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台湾の商業炉として初めて金山1号機が40年間の営業運転終了

2018年12月6日

©台湾電力

 台湾電力は12月5日、同地域初の商業炉として1978年12月に営業運転を開始した金山(第1)原子力発電所(=写真)1号機(BWR、66.6万kW)で40年間の運転認可が満了したと発表し、翌日から台湾では初めて、廃止措置段階に移行することを明らかにした。
 同炉では2009年と2014年に、運転期間を40年から60年に延長する申請が行われたが、福島第一原子力発電所事故に影響を受けた馬英九政権(当時)が延長を認めない方針を2011年11月に打ち出したため見送られた。稼働期間中の累計発電量は約1,625億kWhに到達。来年7月に永久閉鎖が予定されている2号機(BWR、66.6万kW)とともに、1970年代の第2次オイル・ショック時には台湾経済への影響を緩和する一助となり、成長産業の発展を長期的に支えたとしている。
 
 台湾では11月24日、蔡英文総統の脱原子力政策に反対する市民団体の請求により、「2025年までにすべての原子力発電所の運転を停止する」との条文を電気事業法から削除するかについて、全国規模の公民投票が行われた。最終的に賛成票が有効投票数の過半数を超えたため、同条文を正式に削除することが決定。行政院(内閣)は今月6日、条文削除のために経済部が提案した電気事業法の修正草案を承認し、立法院に提出する考えを明らかにした。
 その際、行政院長を務める頼清徳・首相は、「2025年までという期限は削除されたが、非核家園(原子力発電のないふるさと)を目指すという目標は変わっていない」とコメントした。また、行政院の報道官は11月27日、どの原子力発電所を稼働させるかに関わらず、関係省庁にはすでにエネルギー政策の見直しを指示したと説明。ただしその一方で、「政府の主要責任は電源を問わずに電力の安定供給を保証することであり、この目標を達成するため、政府は今後も再生可能エネルギーの積極的な開発を継続する」としている。

 金山発電所を除くと、台湾では國聖(第2)原子力発電所(98.5万kWのBWR×2基)と馬鞍山(第3)原子力発電所(96.3万kWのPWR×2基)が稼働可能。これらの運転を40年以上継続するには、遅くとも運転認可が満了する5年前までに申請を行う必要があるため、可能性が残っているのは馬鞍山の2基のみである。また、建設途中の龍門(第4)原子力発電所は、反原子力運動の高まりを受けて馬英九・前政権が2015年7月に、ほぼ完成していた1号機を密閉管理としたほか、2号機の建設作業を2014年4月に凍結。同発電所の処遇も含めて、蔡英文政権による脱原子力計画の軌道修正の手腕に関心が高まっている。

 (参照資料:台湾電力と台湾行政院の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月5日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)