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エネ庁WG、高速炉開発の戦略ロードマップ案を示す

2018年12月18日

 資源エネルギー庁のワーキンググループは12月18日、高速炉開発の戦略ロードマップ案について議論した(=写真)。原子力関係閣僚会議の要請を受け、今後10年程度の開発作業計画を示すものとして、文部科学省、日本原子力研究開発機構、電気事業連合会、三菱重工業も参画し検討を進め、前回3日の会合で骨子案の提示に至った。高速増殖原型炉「もんじゅ」廃炉の方針が示された2016年12月以降、同ワーキンググループでは、海外政府関係者も含めたヒアリングなどを実施し議論を深めてきたが、このほど成文化された戦略ロードマップ案では、検討の経緯として、議論を通じ得られた知見についても盛り込んでいる。
 高速炉が本格的に利用される時期を21世紀後半と展望し、今後の作業計画としては、(1)競争を促し様々なアイディアを試す(当面5年間程度)、(2)可能性のある技術を絞り込み支援を重点化する(2024年以降)、(3)今後の開発課題および工程について検討する――という3つステップに区分し、研究開発を進めるとしている。
 18日の会合で、電気事業連合会原子力開発対策委員長の森中郁雄氏は、官民連携による開発体制の必要性を改めて述べるとともに、「社会の理解を得て進めることが極めて重要」と強調した上で、これまで蓄積してきた軽水炉の運転・保守経験を踏まえ、核燃料サイクルの確立とともに、高速炉開発に取り組んでいく姿勢を示した。
 また、三菱重工業原子力事業部長の加藤顕彦氏は、「実績のあるナトリウム冷却炉を念頭にイノベーションを取り入れながら開発に当たっていく」などと、メーカーとして技術と人材で貢献していく考えを述べた。
 今後の高速炉開発における研究開発基盤に関し、日本原子力研究開発機構副理事長の田口康氏は、ナトリウム冷却炉やMOX燃料など、これまで蓄積してきた技術的知見や、高速実験炉「常陽」を始めとする研究施設を維持・発展させる必要性を述べるとともに、社会のニーズに対応した新たな研究開発システムの構築や安全基準などの国際標準化に向けた取組にも言及した。