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WH社の事故耐性燃料開発にエネ省が9,360万ドル支援

2019年1月22日

1,300度C以上の高温で試験中の炭化ケイ素製燃料被覆管©WH社

 米国のウェスチングハウス(WH)社は1月18日、同社が進めている事故耐性燃料(ATF)「EnCore」の開発に対し、米エネルギー省(DOE)から9,360万ドルの支援金が拠出されることになったと発表した。
 支援金は、同社がATF開発で連携しているジェネラル・アトミクス社、DOE傘下のアイダホおよびロス・アラモスの両国立研究所、マサチューセッツ工科大学などとも共有され、2022年までに国内商業炉に炭化ケイ素製被覆管を用いた「EnCore燃料」試験用燃料集合体(LTA)装荷を目指す。現在の計画では、今年の春にも「EnCore燃料」の試験用燃料棒(LTR)が含まれる最初の燃料集合体を、エクセロン社のバイロン原子力発電所2号機(PWR、121万kW)に装荷するとしている。

 WH社は、DOEが福島第一原子力発電所事故を受けて2012年に開始した「改良型ATF開発プログラム(EATF)」に、GE社と日立の合弁企業であるグローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)社や仏フラマトム社とともに協力。今回の支援金は、DOEプログラムの枠内から拠出されると見られている。
 WH社の「EnCore燃料」プログラムでは、安全性能が改善されるとともに経済性も向上したATF製品の開発が目標。第1段階においては、腐食耐性を強化するためにジルコニウム製の被覆管にクロムをコーティングするほか、経済性が改善された高密度の燃料ペレット「ADOPT」を開発するという。第2段階では被覆管に炭化ケイ素の混合材料を使用するとともに、高密度のシリサイド燃料ペレットを導入して、高い安全性能と経済性を追求するとしている。

 DOEのEATFではこのほか、クロム・アルミニウム鉄合金を使用したGNF社の燃料被覆材開発などを加速しており、昨年10月に同社はDOEから3,370万ドルの先進的燃料棒技術開発プロジェクトを請け負った。フラマトム社も今月中旬、同社製ATFの商業化促進に向けた28か月分の補助金として、DOEから4,900万ドルを受領したことを明らかにしている。

 (参照資料:WH社、フラマトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月21日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)