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原子力機構、サイバーセキュリティをテーマに実演形式のワークショップ

2019年2月8日

AKTプロダクション演じるサイバー攻撃のワンシーン〈ルリパワー発電所で、ある月曜の朝事態が起きた〉

 日本原子力研究開発機構は2月7、8日、核セキュリティに携わる政府・企業の関係者らを対象としたワークショップを都内で開催した。世界核セキュリティ協会(WINS)が開発した「演劇型セッション」を取り入れ、テーマに応じた様々な課題を小芝居の形で演じ、それをもとに参加者に討論させる方式となっている。
 毎年開催の同ワークショップは、WINS独自のノウハウを活用し好評を博しているが、今回は、近年急激に増加している重要インフラへのサイバー攻撃を踏まえ、「核セキュリティにおけるサイバーセキュリティ」をテーマとした。企業研修などを専門とする英国のAKTプロダクションの演者が、架空の「ルリパワー原子力発電所」を想定して、フィッシングメールが送られたことを発端とする事態の進展を4つのシーンで演技し、各シーンについて討論させる形で進められた。
 ワークショップに訪れたWINS代表のロジャー・ホーズリー氏は、演技に先立ち講演を行い、イランのウラン濃縮施設で約2割の遠心分離機がダメージを受けたサイバー攻撃の事例をあげ、「今や世界のホットトピックだ」として、サイバーセキュリティ対策について、話を聞くだけでなく異なった視点で討議しながら考えていく必要性を強調した。
 また、原子力規制庁で核セキュリティを担当する安全規制管理官の児嶋洋平氏は、サイバーセキュリティ対策に関し、近年の原子力施設における急激なデジタル化の進展に伴い、外部脅威への対策を維持・向上するだけでなく、内部脅威者やサプライチェーンに潜む脅威についても強化していくことを今後の課題としてあげた。
 会場内で取材に応じた原子力機構核不拡散・核セキュリティ総合支援センター長の直井洋介氏は、「サイバー攻撃による被害は年々増えているが、機密上公表されないことも多く『氷山の一角』」と、今回ワークショップで初めてサイバーセキュリティをテーマとした意義を述べた。また、直井氏は、これまでのワークショップを振り返り、参加者からのニーズも踏まえ充実化を図り、海外からも見学に訪れるようになったなどと話している。