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ブルガリア電力公社、ベレネ発電所建設計画の再開で戦略的投資家 募集

2019年3月13日

 ブルガリア電力公社(NEK)は3月11日、一度は頓挫したベレネ原子力発電所(100万kWのロシア型PWR×2基)建設計画の再開で、戦略的投資家を選定することになったと発表した。同時に、同発電所の建設・所有および操業を担当するプロジェクト会社で少数株主となることへの関心表明、および完成した発電所による発電電力の購入契約についても、国内外の法人から関心表明を募集。ブルガリア政府による資金保証や長期の電力買取契約なしで、市場原理に基づいて建設プロジェクトを遂行する点を強調している。

 ベレネ発電所建設計画では、2006年にロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社が主契約者に設定されたが、独RWE社が撤退した後は資金調達の目処がたたず、議会は2012年3月に計画の中止を決定した。1号機用に製造済みの長納期品、および2号機用の一部機器は未使用のまま、倉庫に保管されており、ブルガリア科学アカデミー(BAS)は2017年11月、これらを最大限に活用する可能性の根拠が分析により明らかになったと発表。同国議会と内閣による2018年6月の決定を受け、エネルギー大臣は市場原理に基づいてベレネ発電所建設計画を再開するため、戦略的投資家となり得る企業との交渉を実施することになった。

 募集要件によると、NEKは同プロジェクトで発給済みの認可やライセンス、許可済みの建設サイト、長納期品などを提供することで、設立予定のプロジェクト会社に貢献する計画。同社はプロジェクト会社における総会権限の範囲内で、発電所の建設から操業、廃止措置に至る全期間を通して、一定の権限を保有することになる。
 また、同プロジェクトで戦略的投資家となるための申請書や、プロジェクト会社で少数株主となるための関心表明書は、欧州連合の官報に同募集が掲載された後、90日目が提出の締め切り日となる。
 採用設計は、世界中で一般的に利用されている第3世代の100万kW級ロシア型PWR(VVER)「A92」であり、安全性に関わる設計の変更は認められていない。プロジェクト会社は、既存の使用許可契約や適用可能な法令に準じて、「VVER-1000」用燃料の供給業者と新燃料の調達交渉を実施するほか、発電所の運転に際しては、「VVER-1000」の運転を経験する必要があるとした。
 さらに、同プロジェクトにおけるコストの限度額は100億ユーロ(約1兆2,600億円)未満とされており、原子炉の起動までにかかる期間も、株主間契約への調印後、最大で10年間などと明記されている。

 (参照資料:ブルガリア・エネルギー省NEKの発表資料、原産新聞・海外ニュース、WNAの3月12日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)