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NEDOと南相馬市が協力協定を締結、「福島ロボットテストフィールド」で人材育成を

2019年4月12日

協定署名式で握手を交わす石塚理事長(左)と門馬南相馬市長

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と南相馬市は4月10日、「福島ロボットテストフィールド」を活用しロボット関連の人材育成を図る協力協定を締結した。
 「福島ロボットテストフィールド」は、浜通り地域の産業創生を推進する「福島イノベーション・コースト構想」の主要プロジェクトの一つとして整備が進められているもので、物流、インフラ点検、災害調査など、幅広い分野での活用が期待できるロボットの実証試験や操縦訓練を行う研究開発拠点となる。2018年7月にドローン試験施設が南相馬市に一部開所しており、テストフィールドの全面開所は2019年度末の予定。本協定のもと、両者は連携を強化しロボット関連の人材育成や産業の活性化を図っていく。
 同日、東京・霞が関のNEDO分室で協定署名式に臨んだNEDOの石塚博昭理事長は、ロボット・AI分野の研究開発に関し、「社会実装が求められている。ドローンはその先駆けで象徴的存在」と強調し、多様な飛行試験ができる環境を備えた「福島ロボットテストフィールド」に期待を寄せた。同氏はロボットのさらなる付加価値創出に向けて人材育成の必要性を訴え、本協定のもと、これまで以上に地域協力を深めていく考えを述べた。
 一方、南相馬市の門馬和夫市長は、震災後の人口減少について「一番深刻なのは若い人が減ってきたこと」と憂慮した上で、「『福島ロボットテストフィールド』は復興の起爆剤、人を呼ぶ施設としていきたい」などと強調した。同市によると、2011年度から2018年度の人口推移が、15歳以上65歳未満では約43,000人が約30,000人となったのに対し、15歳未満では約10,000人が約5,000人と、年少人口の減少が顕著となっている。
 署名式の後、NEDOロボット・AI部プロジェクトマネージャーの宮本和彦氏が記者団に、ドローンの社会実装推進を目指す「DRESSプロジェクト」の取組を披露した。同氏は、宅配便の取扱い個数増に伴う「多くの物流ドローンが都市部で飛行できる社会」、ドクターヘリの地域配備増に伴う「有人ヘリコプターと同一空域で安全に飛行できる社会」の将来構想を紹介。さらに、2018年にまとめたインフラ点検・災害対応ロボットの性能手順書にも触れ、「実際にロボットを持ち込んで手順書の有効性を実証する」必要性から、「福島ロボットテストフィールド」の利用促進に期待を述べた。