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内堀福島県知事、風評払拭は丁寧な説明が「唯一の道」

2019年4月15日

 福島県の内堀雅雄知事は4月15日の記者会見で、日本が韓国に対し申立てを行っていた「韓国による日本産水産物等の輸入規制」に関し、世界貿易機関(WTO)上級委員会が12日(現地時間11日)に日本側の主張を認めないことを主旨とする報告書を公表したことにつき「非常に残念」と述べた。
 韓国では、福島を始め、青森、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の8県を対象にすべての水産物の輸入を停止する措置を講じており、農作物についても、福島、群馬、栃木、茨城、千葉の各県産のほうれん草などを輸入停止としている。日本は、こうした韓国による輸入規制が、WTO協定との整合性から問題があるとして、2015年より同国との協議や、紛争解決に向けたWTOへのパネル設置要請など、規制の撤廃・緩和を求めてきた。今回のWTO上級委員会による判断を受け、菅義偉官房長官は12日の閣議後会見で、「日本産食品は科学的に安全で、韓国の安全基準を十分にクリアしているという一審の認定は維持されている」と強調した上で、「韓国に対し規制措置全体の撤廃・緩和を求めていく」との姿勢を示している。
 内堀知事は15日の会見で、県として引き続き国と連携しながら県産品の優れた品質や安全・安心に関する情報発信を強化していく考えを述べた。さらに、福島第一原子力発電所事故から8年が経過し諸外国で未だに根強い風評被害について問われたのに対し、知事は「風評払拭は『長い戦い』と覚悟。抜本的に『これをやれば解決できる』という特効薬はない」として、各国に対し丁寧に説明していくことが「唯一の道」などと述べた。福島第一原子力発電所事故に伴い、現在23の国・地域で輸入規制が継続されているが、日本からの農林水産物輸出額が不動の1位にもかかわらず多くの福島県産品の輸入停止が講じられている香港に対し、知事は1月にメディア対象セミナーを含めたトップセールスを行っている。
 また、15日の朝に福島第一原子力発電所3号機で使用済み燃料プールからの燃料取り出しが開始したことについて、内堀知事は「引き続き安全かつ着実に廃炉作業を進めてもらいたい」と強調した。同機には566体の燃料(使用済み燃料514体、新燃料52体)が保管されており、燃料取扱設備を遠隔で操作し燃料を構内用輸送容器に入れて敷地内の共用プールに移送する。取り出しは輸送容器1基目の新燃料(7体)から着手。廃止措置の中長期ロードマップでは、当初2018年度中頃の取り出し開始が計画されていたが、トラブル発生により延期となっていた。