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OECDグリア事務総長と福島復興を考える「リーダーズ・ダイアログ」が開催

2019年4月16日

左より、ラミア・カマルシャウイOECD起業・中小企業・地域・都市センター局長(モデレーター)、グリア事務総長、遠藤町長、内堀知事、石川政務官

 OECDのアンヘル・グリア事務総長の来日に伴い、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故から8年が経過した福島の復興と将来に向けた地域づくりについて、福島県の内堀雅雄知事、広野町の遠藤智町長、経済産業省の石川昭政大臣政務官とともに考える「OECDリーダーズ・ダイアログ」が4月16日、都内で行われた。
 OECDは被災地の中学・高校生のための復興教育プロジェクト「OECD東北スクール」を始め、食品の安全に関する情報発信にも積極的に取り組んでおり、グリア事務総長は「OECDリーダーズ・ダイアログ」の開会に際して、発災直後の日本訪問を改めて振り返り、「福島は驚くほど復興している」と強調した上、「さらに強い福島にしていく必要がある」と引き続いての支援に意欲を示した。また、将来の地域づくりに向けて、革新的な技術により産業に競争力を持たせる必要性を指摘する一方、「地方では高齢化や人口減少が大きな問題」とも述べ、日本側に意見を求めた。
 これに対し、内堀知事は、対外的な産業復興の現状として農林水産物の輸出高や外国人観光客数の回復などをあげた上で、将来に向けて浜通り地域に新しい産業基盤を構築する「福島イノベーション・コースト構想」の取組を通じ、「メイドイン福島」を世界に送り出していく「チャレンジ」の姿勢を示した。また、4月に中学校が開校して中高一貫教育がスタートした「ふたば未来学園」を立地する広野町の遠藤町長は、最近の英国訪問の経験にも触れながら「次世代教育の必要性は世界共通」などと強調。石川政務官は、「福島復興と廃炉・汚染水対策は政府の最重要課題」とした上で、復興の姿を世界に発信することで国際社会とのさらなる協力強化につながるよう期待した。
 今後の復興に向けた課題として、内堀知事は長期にわたる福島第一原子力発電所の廃炉や県産農林水産物に根強く残る風評被害をあげ、それぞれについて人材の育成と国内外の知見の結集、「来て、見て、食べて、福島の魅力を感じてもらう」ことを訴えかけた。また、遠藤町長は地域のコミュニティや信頼関係の問題を指摘し、町として県とも連携しながら復興へのリーダーシップを発揮する姿勢を示した。さらに、遠藤町長は「浜通りの復興といっても各市町村でステージが違うが、『今よりよくなって欲しい』という思いは皆同じ」と強調し、「見てもらう人がいることで頑張れる」と、復興への支援と理解を呼びかけた。