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電力が原子力発電所のテロ対策施設で経過措置の再検討を規制委に求める

2019年4月18日

再稼働の先陣を切った川内1・2号機、テロ対策施設の設置期限が迫っている

 原子力規制委員会と電力会社との意見交換が4月17日に行われ、新規制基準で要求されるテロなどに備えた特定重大事故等対処施設の取組状況について、再稼働が先行する九州電力が説明し、プラント本体の工事計画認可日から設置まで5年間の猶予を与えている経過措置規定の再検討を求めた。規制委員会が事業者の原子力部門長を招き公開の場で随時ヒアリングを行うもので、今回、事業者側からは関西電力原子力事業本部長代理の森中郁雄氏、中部電力原子力本部長の倉田千代治氏らが出席。
 特定重大事故等対処施設は、意図的な航空機衝突などに備えた対策で、各発電所で計画している設備の詳細はセキュリティ上明らかにされていないが、九州電力原子力発電本部長の豊嶋直幸氏の説明によると、現地工事に要する期間が長期化し約6年以上かかる見込みとなっており、期限までの完成が厳しい状況だ。例えば、再稼働の先陣を切った九州電力の川内1号機では、特定重大事故等対処施設の設置期限が2020年3月17日と残り1年を切り、それまでに整備できなかった場合の対応に関して毎週水曜の規制委員長記者会見でも質問が出ている。豊嶋氏は、ダンプと船を活用した土砂搬出の効率化、2交代制による24時間連続作業など、早期完成に向け各社が行っている工事期間短縮の取組を説明。森中氏は、「見通しが甘かった」と反省の意を強調した上で、「当初の見積りよりはるかに大規模・高難度の土木工事が発生した。各社とも最大限に努力してきたが、現状として理解して欲しい」と、規制委員会に対し検討を求めた。
 更田委員長は、既存施設が新たな規制基準にも適合することを確認するいわゆる「バックフィット」や、それに対し経過措置を設定する意味を改めて説明した上で、「公開の委員会の場で今後の方針について速やかに議論したい」と、検討を進める考えを述べた。
 この他、倉田氏が「原子力エネルギー協議会」(ATENA)による規制課題への対応に係る方針を説明。ATENAがミッションの一つに掲げる規制側との対話に向けて意見交換が行われた。