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原産協会の最新版「世界の原子力発電開発の動向」、中国が運転容量で世界第3位に

2019年4月22日

 原産協会は4月17日、「世界の原子力発電開発の動向(2019年版)」を11日付けで刊行したと発表し、2018年に世界では、運転中原子炉の設備容量が4年連続で最高記録を更新したことを明らかにした。また、この年に中国では、新たに7基が営業運転を開始。日本が27年間維持していた「運転中設備容量で世界第3位」の地位を、原子力大国を目指す中国に明け渡したとしている。

 この報告書は、世界中の電気事業者等に対するアンケート調査を基に、原産協会が毎年取りまとめているもので、2019年1月1日現在、世界で運転中の原子力発電所は過去最高の443基、4億1,445.4万kW。日本国内では原子力発電所の閉鎖が相次いでいるものの、世界全体では福島第一原子力発電所事故後も、閉鎖される原子力設備を上回る新規の運転開始があるとした。
 特に中国、インド、ロシア、中東諸国では、今後も原子炉が新たに建設されていき、世界の原子力発電規模は増加傾向が続くと見込んでいる。また、中国とロシアは原子炉製造者としての躍進も顕著で、2011年以降に運転開始した51基のうち、31基が中国製で8基がロシア製。新規の原子炉建設市場は、まさに両国が席巻しているとの見方を示している。

 2018年中に営業運転を開始したのは、2か国の9基、1,110.9万kWで、このうち7基、884万kWが中国、残りの2基、226.9万kWがロシアのもの。一方、米国、日本、ロシア、スウェーデン、台湾、アルゼンチンで、合計9基の閉鎖が明らかになった。世界全体では運転中の基数に変動はなかったが、設備容量は507.9万kW分増加したとしている。
 中国で営業運転を開始した原子炉の中には、世界でも初という3種類の新しい原子炉設計(中国広核集団有限公司製・ACPR1000、ウェスチングハウス社製・AP1000、フラマトム社製・EPR)が含まれていた。これにより、同国の運転中原子炉は合計44基、4,463万kWに拡大した。
 また、バングラデシュ、韓国、ロシア、トルコ、英国の5か国では、合計で新たに5基、677.5万kWが本格着工。世界で建設中の原子炉は合計59基、6,341.1万kWになったが、運転中に移行したものがあったため、前年実績より4基、399.5万kW分の減少である。
 このほか、2018年に世界では、エジプトとウズベキスタンで合計5基、600万kWが新たに計画入りした。これらはすべて、ロシア型PWR(VVER)となる予定で、建設計画への進展が見込まれる原子炉の総数は世界全体で84基、9,342.7万kW。前年実績からは5基、651.7万kW分の減少になったとしている。

 (参照資料:原産協会の発表資料)