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米ニュースケール社のSMR開発に韓国の斗山重工が事業協力

2019年5月8日

覚書に調印した両社のCEO©斗山重工

 米オレゴン州で小型モジュール炉(SMR)を開発中のニュースケール・パワー社は4月29日、同社製SMRの世界的な展開を支援する戦略的事業協力で、韓国の斗山重工業と了解覚書を締結したと発表した。

 ニュースケール社の「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」は現在、米原子力規制委員会(NRC)が設計認証(DC)審査を実施している唯一のSMR。同審査は2020年9月に完了予定で、数あるSMR開発プロジェクトの中でも、先陣を切って2026年の商業運転開始が見込まれている。
 今回の覚書に基づき、原子炉容器等の製造企業である斗山重工が米国初のSMRとなるNPM発電所の製造チームに加わり、最も重要かつ複雑な部分となる原子力蒸気供給系統を供給する。また戦略的事業協力の一環として、同社と韓国の関連投資会社がニュースケール社に対し、現金投資を行う可能性もあるとした。両社は今後、正式契約の締結と規制上の承認取得を目指して詳細な交渉を実施し、今年7月にも戦略的サプライヤー契約を成立させる方針である。

 NPMはPWRタイプの一体型SMR(電気出力6万kW)で、発電のみならず地域熱供給や脱塩、その他のプロセス熱利用に活用できる。工場内で全面的に組立てることが可能で、モジュールを12基連結することにより、出力は最大72万kWまで拡大可能。主要な投資家としては、世界的なエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約企業のフルアー社が同社に出資している。
 米国内ではすでに、エネルギー省(DOE)傘下のアイダホ国立研究所敷地内に最初の12モジュールを建設する了解が得られており、ユタ州公営共同電力事業体(UAMPS)がこれらの所有者となる予定。運転はワシントン州の電気事業者、エナジー・ノースウェスト社が担当することになっている。

 斗山重工との新しい戦略的関係を通じて、ニュースケール社は独自のサプライ・チェーン基盤を拡大する計画である。また、斗山重工から投資が得られれば、SMR開発の世界的リーダーというニュースケール社の確固たる地位、および世界中に同社製SMRを供給する能力があることが裏付けられるとした。
 ニュースケール社はすでに、カナダにおける同社製SMR建設を念頭に、昨年11月に同国の原子力発電事業者ブルース・パワー社と協力覚書を締結。ヨルダンとは、同社製SMRの建設可能性を共同で探るため、今年1月にヨルダン原子力委員会と了解覚書を結んだほか、ルーマニアでも3月に建設の可能性調査で国営原子力発電会社と覚書を締結している。

 (参照資料:ニュースケール社斗山重工(韓国語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの4月30日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)