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規制委が北海道電力と意見交換、プラントの長期停止に伴う技術力維持など

2019年5月24日

泊発電所の審査についても議論された意見交換会(原子力規制委員会庁舎にて)

 原子力規制委員会は5月23日、北海道電力の真弓明彦社長らと意見交換を行った。同委が概ね月1回のペースで事業者の経営幹部を順次招き、安全性向上の取組を中心に公開の場で意見を交わすもの。
 真弓社長は、前回の2017年7月に行われた意見交換会以降の安全性向上に向けた取組について説明。泊発電所は2012年5月に3号機が定期検査入りして以来、7年間にわたり運転を停止しており、運転状態を知らない社員が年々増加しているため、引き続き若手を中心に力量・モチベーションの維持・向上に努めるとともに、新検査制度導入を踏まえた海外との技術交流、胆振東部地震の教訓も取り入れた防災訓練の充実化などに取り組んでいることを述べた。
 また、同氏は、現在新規制基準への適合性に係る審査が進められている泊1~3号機について、残された地震・津波関連の課題への対応として、敷地内断層の活動性評価に関する追加調査工程を示し、「準備が整い次第できるだけ早急に進め、概ね9月にも分析を終了させ、10月には結果を取りまとめた上で、審査会合に諮りたい」としている。
 これを受け、田中知委員が長期間のプラント停止に伴う技術力維持の具体策について尋ねたのに対し、真弓社長は、「稼働中でなければ得られない知識を若手にどのように習得させていくか」と問題意識を示した上、運転中の他社プラントへの派遣や、停止中であるがゆえに立ち入れる場所での保修体験など、多様な取組を通じて「現場の勘どころをつかませる」工夫を図っているとした。

意見交換会終了後、記者団の取材に応じる真弓社長

 また、新検査制度に関連し、山中伸介委員と伴信彦委員が是正処置プログラム(CAP)の運用状況について質問した。CAPは、電気事業連合会が原子力の安全性向上に向けて2018年2月に公表した「リスク情報活用の実現に向けた戦略プランおよびアクションプラン」にあげられており、「低いしきい値で広範囲の情報を収集し、安全への影響度に応じた是正を行うことで、重要な問題の再発防止や未然防止を図る」活動だ。北海道電力の説明によると、2019年4月よりCAPの報告対象者を協力会社社員にも拡大したことで、「細かい点についても、気付き事項が続々と入ってくる」としており、効果が上がっている模様。
 2013年7月の新規制基準施行を受け、泊1~3号機とともに直ちに審査が申請された関西電力高浜3、4号機、同大飯3、4号機、四国電力伊方3号機、九州電力川内1、2号機は、いずれも審査をクリアし再稼働を果たしている。折しも今回の意見交換会と同日、衆議院の原子力問題調査特別委員会に招かれた規制委員会の更田豊志委員長は、審査が長期化している現状について自由民主党議員から問われたのに対し、「納得いくまで議論し結論を得ることが何よりも重要」と強調し、事業者との共通理解を図った上で、妥協せず厳正な判断を行う姿勢を示した。