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原子力機構他が多目的に活用できる「海洋のドローン」を開発、浜通りの企業と共同で

2019年5月27日

(a)無人船外観<長さ6.0m×幅2.6m×高さ4.7m>、(b)搭載センサー、(c)音波測量機器を搭載し作成した海底地形図(©原子力機構)

 日本原子力研究開発機構は5月24日、福島県浜通り地域の企業と共同で海洋の放射線測定を始めとする様々な用途に活用可能な無人船、いわば「海洋のドローン」の開発に成功したと発表した。
 海洋研究開発機構の所有する無人船を改造し、無人船観測に係る(1)船体製作・製品設計・制御技術、(2)海底放射線測定システム、(3)自動連続海底土サンプリング装置、(4)小型自動ウィンチ制御技術、(5)海底測量技術――の要素技術を開発し実証したもので、これまで困難であった多目的の測定・試料採取や狭あいな水路へのアクセスを、船体の小型化などによって可能にした。
 海洋研究開発機構と相馬市のマリンレジャー企業が中心となって、船底の中央部に直径100cmの「ムーンプール」と呼ばれる海中との機器昇降用の円筒を配置することで小型の船体を設計。また、原子力機構他の開発したファイバー型の放射線検出器、水温、水深、電導度の測定器を組み込んだマルチセンター、海底土のサンプル採取装置を小型船に収まるように開発した。さらに、小型船に最適な横方向のスクリューを開発することで、海洋調査時の定点維持を可能とした。

カメラの他に色々な測定や海底土採取の機能を備えたマルチセンサー(©原子力機構)

 今回の成果は、原子力機構、海洋研究開発機構、ウィンディーネットワーク(海底測量技術)の3者を中心に、福島県浜通り地域の企業が船体とマルチセンサーとの2チームに分かれ開発に当たり得られたもので、今後、福島県沖海底のより詳細な放射線モニタリングの他、物流や漁業の分野での活用が期待される。本無人船の販売や測量サービスは2019年度中に事業化の予定。

*無人船開発の経緯を紹介した動画は こちら よりご覧下さい。(原子力機構ホームページより引用)