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2018年度エネルギー白書が閣議決定、パリ協定の目標に向け「脱炭素化への挑戦」を

2019年6月7日

 政府は6月7日、2018年度のエネルギー白書を閣議決定した。同年度にエネルギー需給に関して講じられた施策の概況を取りまとめたもの。メイントピックとして、今回は、例年の福島復興の進捗に加え、パリ協定を踏まえた主要国の温暖化・エネルギー政策、昨今の災害対応の取組――について紹介している。
 福島復興に向けては、まず、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策の取組状況を説明。使用済み燃料プールからの燃料取り出しについては、2018年2月に燃料取り出し用カバーの設置が完了した3号機で、燃料取扱設備に不具合が発生したため、燃料取り出しが、当初予定の2018年度中頃から延期され、安全点検などを経て2019年4月に開始に至ったとの経緯が盛り込まれた。
 また、福島第一原子力発電所の現状に関する地元を中心とした情報発信については、自治体・関係団体参加の評議会や動画・パンフレットの作成に加え、住民との直接対話、地元イベントへのブース出展、コンテンツ制作に伴う意見聴取・反映など、「双方向コミュニケーションを意識し進めている」ことを強調。これらを踏まえ、復興に向けた原子力被災者支援、福島新エネ社会構想、原子力損害賠償の取組状況について説明している。
 パリ協定を踏まえ日本が掲げた「2050年までに80%の温室効果ガス排出削減」との目標に関し、白書では、「従来の取組の延長では実現が困難」であることを改めて述べ、イノベーションによる解決の最大限追求とともに、国内投資の促進、国際競争力の強化、国民の英知を総動員し、長期的・戦略的取組の中で大幅な排出削減を目指すとしている。2018年7月に第5次エネルギー基本計画が閣議決定された。温室効果ガス排出量の約9割をエネルギー由来のCO2が占めている日本として、2030年エネルギーミックスの確実な実現に向けた取組の強化、2050年のエネルギー転換・脱炭素化への挑戦を図っていく。
 さらに、白書では、主要国の温室効果ガス排出削減目標と取組・進捗状況を比較し要因を分析。日本は、一人当たりCO2排出量でOECD35か国中27位に留まっており、エネルギー消費効率に強みを持つ一方、発電の約8割を火力に依存している供給側の弱みから、CO2排出削減を強化する重要性を強調した。電源の非化石化に向けて、原子力については「引き続き安全最優先の再稼働を進める」としている。