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三菱重工が防爆ロボットを開発し製油所で試験走行、原子力分野での技術成果を活かし

2019年6月11日

プラント巡回防爆ロボット「EX ROVR」(長さ700×幅450×高さ1,050mm〈サブクローラ折りたたみ時〉、質量60kg、三菱重工提供)

 三菱重工業は6月10日、JXTGエネルギー水島製油所(岡山県倉敷市)で、防爆性能を有するプラント巡回ロボット「EX ROVR(エクスローバー)」(プロトタイプ機)の走行試験を実施したと発表した。石油精製プラントなどにおいて巡回点検の省人化に向けたロボット活用のニーズが高まる中、引火性ガス内の作業で、自らが出す電気火花や熱による爆発・火災の発生を防ぐ必要がある。
 三菱重工では、JCO臨界事故や福島第一原子力発電所事故を契機に耐放射線性や遠隔操縦性を備えたロボット技術で成果をあげており、これをベースに、現在石油化学プラントの巡回点検やインフラ災害対応などに向けた防爆ロボットを開発中。「EX ROVR」は、国内の防爆指針および、欧州を始め世界で広く採用されている防爆認証「ATEX/IECEx」にも適合した設計となっており、可燃性ガスのある危険区分「ゾーン1」と呼ばれる場所でも安全に使用できるという。
 水島製油所で実施された走行試験では、階段昇降を伴う狭あいなプラント内の複数フロア自律巡回走行、各種搭載センサーによるデータ取得、充電も含む連続自動運転を実施し、ロボットが日常の巡回点検や非常時対応を行うための基礎的な機能要件を満たすことを確認した。
 三菱重工では、2020年度からの受注を目指し、プラントの点検密度向上や安全性強化に向けて、多様なプラント環境での試験・実証を行うこととしている。