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米TVAのSMR用事前サイト許可申請、安全面の審査をクリア

2019年6月17日

 米原子力規制委員会(NRC)のスタッフは6月14日、テネシー峡谷開発公社(TVA)が同州のクリンチリバー原子力サイトで、小型モジュール炉(SMR)の立地を想定して申請していた「事前サイト許可(ESP)」について、発給を妨げるような懸念はないとする安全評価報告書の最終版(FSER)を発行した。
 NRCスタッフはすでに今年4月、この申請の環境影響面についても問題はないとの評価報告書・最終版(FEIS)を発行済みであることから、FSERの発行により、同サイトでのESP審査は技術的側面の審査がほぼ完了。NRCは今年の夏にFSERとFEISに関する公聴会を開催し、2020年10月から始まる2020会計年度の第2四半期にも、NRCの委員5名がESP発給について最終判断を下すと予想されている。

 TVAが2016年5月に申請書を提出した際、実際に建設するSMR設計を特定しておらず、4種類の軽水炉型SMR設計の採用を仮定した「プラント・パラメーター・エンベロープ(PPE)」方式を活用。ここでは、バブコック&ウィルコックス(B&W)社製のSMR設計「mPower」、ニュースケール社製「ニュースケール・パワー・モジュール」、ホルテック社製「SMR-160」、およびウェスチングハウス社製SMRのパラメーターが技術情報として提示されていた。
 TVAは2013年2月、「mPower」の認可申請準備に向けてB&W社と作業契約を結んでいたため、同設計が採用されると見られていた。しかし、追加で出資する企業が集まらず、2017年に同設計の開発プロジェクト終了がメディア情報として伝えられている。

 2016年の申請書によると、TVAはクリンチリバー原子力サイトにおいて単機出力が80万kWtを超えないSMR、あるいは2基以上のSMRで合計出力が242万kWt(電気出力80万kW)を越えないものを建設する計画。これに対してNRCスタッフは、以下の結論を勧告事項としてFSERに明記している。すなわち、

・PPEに含まれているSMR設計であれば、周辺住民の健康や安全をリスクにさらすことなく建設・運転が可能である。

・「放射性雲からの被ばくに対する緊急時計画区域」について、NRCスタッフはTVAが提案する(従来とは異なる)避難対象区域の区分方法を妥当と認めており、ESP申請に関するFSERは発行すべきである。

・クリンチリバー原子力サイトに対するESPを発給すべきである。

 (参照資料:NRCのFSER資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)