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中国が初めて輸出した「華龍一号」、パキスタンのカラチ2号機でドーム屋根設置

2019年6月19日

©CNNC

 パキスタンでカラチ原子力発電所2、3号機(各110万kWのPWR)の建設工事を請け負っている中国核工業集団公司(CNNC)は6月18日、この前日に2号機の格納容器上部に、二重構造となるドーム屋根の外側部分を設置したと発表した(=写真)。
 カラチ2、3号機では、中国が独自開発した第3世代のPWR設計「華龍一号」が採用されており、輸出分のプロジェクトとしては2号機が最初のものになる。両炉は、2015年8月と2016年5月にそれぞれ本格着工。スチール製のドーム屋根・外側部分が、内側部分に次いで設置されたことにより、2号機の建設工事は主要構造物の作業が完了し、格納容器全体の試験を実施する準備が整ったとしている。2、3号機の営業運転開始は、2021年以降になると予想されている。

 「華龍一号」は、中国核工業集団公司(CNNC)と中国広核集団有限公司(CGN)双方の第3世代炉設計を一本化して開発された。外側のドーム屋根は直径約53m、重さは約366トンで、格納容器内部の構造物を防護するとともに、事故発生時には放射性物質が環境中に放出されるのを防ぐことになる。
 二重構造のドーム屋根設計も含め、「華龍一号」における革新的技術の計画実行は、後続の同型設計建設や中国が推進する「一帯一路」経済圏構想の促進で、好ましい効果をもたらすとCNNC傘下の中国核能電力有限公司(CNNP)は指摘。同構想対象国の市場において「華龍一号」で協力する道が拓かれ、関係企業との協力も促進されるとしている。

 中国国内ではすでに同設計の実証プロジェクトとして、CNNCが福建省・福清原子力発電所で5、6号機の建設工事をそれぞれ2015年5月と12月に開始。CGNも、CGNバージョンの「華龍一号」を広西省・防城港原子力発電所3、4号機として、それぞれ2015年12月と2016年12月に本格着工した。
 同設計はまた、英国ブラッドウェルB原子力発電所(100万kW級PWR×2基)への採用が決まっており、2017年1月から同国の原子力規制当局が英国仕様の「華龍一号」(UK-HPR1000)について、包括的設計審査(GDA)を実施中である。

 (参照資料:CNNCの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)