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原子力関係機関がフォーラム開催:既存原子力発電所における技術革新の適用で行動喚起

2019年6月20日

 原子力関係の複数の国際機関等が6月10日から12日まで、韓国の慶州で国際規模のフォーラムを開催し、世界中の原子力発電所を一層持続可能かつ先進的なものとするために、革新的な解決技術の適用を促進すべきだと18日付けで呼びかけた。

 「国際フォーラム:原子力の将来に向けた技術革新」は、共催機関として国際原子力機関(IAEA)と経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)に加え、米国の電力研究所(EPRI)と英国の国立原子力研究所(NNL)、および開催地の韓国水力・原子力会社(KHNP)が協力した。世界中から原子力産業界のリーダーや規制当局者、研究者、政府関係者、技術提供者など250名以上が参加し、今回公表した行動喚起(Call to Action)を通じて、原子力部門が直面する最も緊急の課題に取り組むことを目指した。コストを抑えつつ、原子力発電所の安全性維持と促進で革新的技術や解決プロセスを適用する際、障害となるものや好機について検証している。

 行動喚起の公表にあたり、参加者達は既存原子力発電所の運転における様々な側面で、必要と思われる28の革新的技術に注目。このなかでも、以下の4つは特に重要として上位に取り上げている。すなわち、

(1)現実空間の情報を活用してサイバー空間上に再現する「デジタル・ツイン」技術:発電所のコスト削減と性能向上に役立てる。

(2)3Dプリンティングを含む「高度製造技術」:機器サプライ・チェーンが直面している課題に対応する。

(3)パターン認識のように、人間が自然に行っている知的活動をPC等で実現する「機械学習」:メンテナンスの合理化用に原子力部門が入手済みのビッグ・データを一層有効に活用する。

(4)一層革新的な技術を用いた「情報交換の枠組」:研究開発や運転・保守活動等のデータを共有する。

 フォーラムに出席したEPRIのN.ウィルムスハースト副社長兼最高原子力責任者は、「世界のエネルギー・ミックスのなかで、無炭素電源として地球温暖化に対応できる原子力産業は極めて重要だ」と指摘。同産業が必要とする重要な技術革新を優先項目とした今回のユニークなフォーラムにより、革新的技術の適用で障害となるものへの理解が深まり、その排除に向けて参加者達が協力の決意を固めたことを高く評価した。
 同フォーラムではまた、原子力産業界でキャリアの浅いリーダー達も参加していたことから、IAEA原子力エネルギー局のE.ブラッドリー原子力発電所運転・エンジニアリング支援チーム・リーダーは、「若者世代の原子力専門家から効果的なサポートが得られることは非常に勇気づけられる」と強調。原子力産業界の技術革新は、現在と将来のリーダー達がともに努力を傾注し、これにダイナミズムが加わることによってもたらされると指摘した。

 (参照資料:IAEAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの6月19日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」