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チェコ政府、ドコバニ増設計画の資金調達任務を国営電力に指示

2019年7月9日

©チェコ政府

 チェコ政府は7月8日、ドコバニ原子力発電所(51万kWのロシア型PWR×4基)でリプレース用原子炉2基を増設する計画について、国営電力であるCEZ社のグループが100%子会社を通じて建設資金を調達するという投資家モデルを承認した(=写真)。
 これは、今年からA.バビシュ首相が議長を務めている「原子力発電所の建設に関する常設委員会」の勧告に従ったもので、これにより新規の原子力発電設備建設に関する協議は具体的な準備を行う段階に移行。同委員会が職務を遂行できるよう、2019年から2020年までの期間に3,570万チェコ・コルナ(約1億7,000万円)の予算を拠出するほか、政府はドコバニ2期工事の建設契約について、2020年末に入札を実施するための準備を進めていく。また、投資金の回収問題により2014年に頓挫したテメリン原子力発電所3、4号機増設計画についても、同常設委員会の勧告に基づき、ドコバニ発電所の拡張後にいつでも着手可能な状態としておく考えを表明している。

 チェコ政府は、十分な電力供給とエネルギー自給を保証するには、新たな原子炉が必要であると認識。2015年5月の「国家エネルギー戦略」のなかで、現在約35%の原子力発電シェアを2040年までに6割近くまで上昇させていかねばならないとしたほか、その翌月に閣議決定した同戦略のフォロー計画「原子力発電に関する国家アクション計画(NAP)」では、化石燃料の発電シェアを徐々に削減する将来のエネルギー・ミックスにおいて、原子力が再生可能エネルギーとともに果たす重要な役割が強調された。同計画では、テメリンとドコバニ、2つの既存原子力発電所で1基ずつ、可能であれば2基ずつ増設する準備を始める必要があるとしており、2037年までに1号機が閉鎖されるドコバニ発電所については特に、優先的に増設を行う方針である。

 チェコ政府は今回、原子力関係の政府コミッショナーであるJ.ミラ氏を中心とする専門家チームとして、新たに原子力や原子炉建設等の分野で著名な専門家5名を指名。常設委員会用に承認した予算の中には、2022年までの同チームの経費が含まれている。
 同じ日に産業貿易省が公表した資料によると、政府は今後、政府が資金調達するのと同じ条件でCEZ社の子会社が新規原子炉建設で信用取引を行えるよう、同グループと契約を結ぶ。政府としては、増設にともなう法制面と規制環境面の安定性を保証する方針だが、英国政府がヒンクリーポイントC原子力発電所建設計画で採用した差金決済取引(CfD)のように、行使価格との差額を返金するといった考えはない。
 今回選択した投資家モデルが、欧州連合(EU)域内の市場規則に適合しているかという点については、欧州委員会(EC)と今後、協議を行うことになるとした。建設契約を手配する準備段階においては、資金調達面の助言チームや専門家、十分な財源などが確実に必要となるため、新しい原子炉の性能合理化や関連するリスクなどについて分析しなくてはならないとしている。

 (参照資料:チェコ政府(チェコ語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)