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英エネルギー省、9日の大規模停電で原因究明調査を開始

2019年8月19日

 英ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は8月14日、イングランドとウェールズの両地方で9日に大規模停電が発生したことについて、原因を徹底究明するための調査を開始したと発表した。
 政府は規制当局を含む官民連携の業界委員会「エネルギー緊急対応経営者会議(E3C)」に調査の実施を委託。停電発生後に送電会社のナショナル・グリッド社が取った行動なども検証する方針で、同委はすでにこの件に関する初会合を12日に開催した。今後、5週間以内に中間報告書、12週間以内に包括的な最終報告書をBEIS大臣に提出する。

 BEISによると、英国では9日の夕方5時近くから、ロンドンを含めた広範な地域で約1時間半にわたって停電。鉄道等の交通機関が運行を停止するなど約100万人に影響が及び、電力の復旧後もほぼ終日にわたって混乱が続いた。
 現地メディアは停電の理由として、ガス火力発電所と洋上風力発電所2か所における故障を伝えているが、BEISは何が停電を引き起こしたのかE3Cが明らかにし、発生後の影響に対し適正な措置が取られたかについても検証すると説明。E3Cはまた、停電の再発を防ぐための改善策の必要性や、発生してしまった場合の一層適切な対応についても検討し、国民や国民へのサービスに影響が及ぶのを最小限に食い止めるとしている。
 E3Cの調査はさらに、ガス・電力市場の規制当局「Ofgem」が開始した調査を補完する役割を担っている。Ofgemは現在、ナショナル・グリッド社が認可条件や送電システムのセキュリティ基準に沿ってどのように対応したか調査中で、必要があればさらなる措置を勧告することになる。

 BEISのA.リードサム大臣によると、9日の停電により数十万人規模の国民が深刻な混乱状態に置かれた。2050年までにCO2排出量が実質ゼロの経済に移行するため、政府は風力などクリーンな再生可能エネルギー源に投資を行っているが、同大臣は、風力発電の風速変化や変動性が今回の停電と無関係だった事はナショナル・グリッド社がすでに確認済みだと強調した。
 ただし同大臣は、今回の停電により、多様化したエネルギー・ミックスを英国が必要としていることが明確になったと指摘。こうした背景から、停電にともなう緊急時対応とエネルギー・システムの復旧手順について、E3Cに調査を正式要請したと説明している。

 (参照資料:英国政府BEISの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月14日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)