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来年度概算要求、経産省が原子力産業基盤強化で新規に15億円

2019年9月3日

2020年度政府予算の概算要求が8月末までに各省庁より出そろった。

来年度概算要求に新規計上された「原子力産業基盤強化事業」のイメージ(経済産業省発表資料より引用)

 経済産業省では、エネルギー対策特別会計として前年度15.7%増となる8,362億円を要求。福島復興関連では1,141億円を計上しており、引き続き福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策の安全かつ着実な実施を図る。また、原子力技術開発の関連では、「原子力産業基盤強化事業」として新規に15億円、2019年度に開始した「社会的要請に応える革新的な原子力技術開発支援事業」で前年度のおよそ倍額となる15億円がそれぞれ計上された。エネルギー基本計画で、原子力に関して「人材・技術・産業基盤の強化に直ちに着手」とされたのを受け、「原子力産業基盤強化事業」では、(1)世界トップクラスの優れた技術を有するサプライヤーの支援、(2)技術開発・再稼働・廃炉などの現場を担う人材の育成――を実施し、原子力産業全体の強化を図る。
 文部科学省では、原子力関連として前年度31.2%増となる1,937億円を要求。原子力施設の新規制基準対応で前年度の2.7倍となる112億円、施設の安全確保対策で同7倍の210億円が計上された。その中で、日本原子力研究開発機構の研究炉「JRR-3」の運転再開に関する要求額は同8倍の53億円となっている。
 原子力規制委員会では前年度20%増となる655億円を要求。高経年化技術評価や運転期間延長に関わる審査などに必要な知見を整備し評価手法を検証すべく、「実機材料等を活用した経年劣化評価・検証事業」として新規に14億円が計上された。発電所の長期運転に伴う経年劣化事象の中で、特に、原子炉圧力容器、ケーブルなどの絶縁材料、炉内構造物を対象に、既存の評価手法の妥当性を検証するとともに、廃止措置中のプラントから実機材料を採取して試験・分析を行い、機器の健全性に関する知見を蓄積していく。
 復興庁では原子力災害関連で前年度の1.4倍となる9,075億円、そのうち中間貯蔵施設の整備として同2.7倍となる5,612億円が計上されている。