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ロシアで第3世代+の120万kW級PWR、ノボボロネジII-2が営業運転開始

2019年11月6日

©ロスエネルゴアトム社

 ロシアの民生用原子力発電公社であるロスエネルゴアトム社は11月1日、モスクワの南約500kmに位置するノボボロネジ原子力発電所で、II期工事2号機(PWR、115万kW)が予定より30日前倒しで営業運転を開始したと発表した(=写真)。
 出力3万kW以上の商業炉としては同国33基目のもので、これにより原子力発電設備容量は3,000万kWを越えた。また、ロシアで開発された第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)「AES-2006」としては、2017年2月と2018年10月にそれぞれ営業運転を開始した同発電所II期工事1号機(118万kW)、レニングラード原子力発電所Ⅱ期工事1号機(118.8万kW)に次いで国内3基目となる。
 ベラルーシやバングラデシュ、トルコなどでは、すでに同設計を採用した原子炉を建設中であるほか、ハンガリーやフィンランドでも計画中。中国で建設する話も提案されている。ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は、ノボボロネジ発電所で完成した2基を参考炉として、海外で同設計をさらに建設していく考えである。

 ロスアトム社によると、同設計は第2世代の100万kW級VVER「VVER-1000」と比較して、経済面と安全面で数多くの利点がある。出力が20%向上した一方、必要とする運転員は30%~40%削減され、公式の運転期間も「VVER-1000」の30年から60年に倍増。さらに20年間、延長することも可能である。
 2009年7月に本格着工したノボボロネジII-2号機は、同発電所I期工事のVVER×5基(1号機:21万kW、2号機:36.5万kW、3、4号機:各41.7万kW、5号機:100万kW)から数えて7基目にあたるが、1号機から3号機は1984年から2016年までの間に永久閉鎖されている。
 II-2号機では今年2月に燃料が装荷され、3月に初めて臨界条件を達成。5月には送電を開始しており、営業運転を開始するまでに25億kWhを発電した。また同炉により、ロシア中央連邦管区の原子力発電シェアは27%に増加。同管区における経済成長を一層促進しつつ、CO2も年平均で400万トン分、排出を抑えられるとしている。

 (参照資料:ロスエネルゴアトム社ロスアトム社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月1日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)