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米核安全保障局、MOXプラントの建設中止にともない契約企業と和解協定

2019年11月22日

 米エネルギー省(DOE)の国家核安全保障局(NNSA)は11月19日、サウスカロライナ(SC)州サバンナリバーサイトで昨年10月に建設工事の中止が決定した「ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料製造施設(MFFF)」に関して、契約企業のCB&IアレバMOXサービス社、およびその親会社と包括的な和解協定を結んだと発表した。
 中止決定の後、余剰プルトニウムを処分するための代替策や、70%まで完成したMFFFを核弾頭の中枢部分である「プルトニウム・ピット」の生産施設として活用するというNNSAの計画は、MFFFの建設契約に関わる様々な訴訟等により遅れていた。今回の協定により、これらの訴訟はすべて解決し、契約終了にともなうコストもカバーされるとNNSAは説明。和解金の額は公表していないものの、「MFFFの建設を継続した場合、(2016会計年度時点の見積額である)170億ドルのコストをかけたとしても2048年までに完成させることはできなかった」との認識を強調した。今後はプルトニウムの希釈・処分(D&D)など、納税者に負担をかけない合理的な方法によってSC州から余剰プルトニウムを取り除き、国家安全保障の使命を遂行するとしている。

 MFFFの目的は、米国の兵器級余剰プルトニウム34トンから不純物を取り除き、酸化ウランと混合して商業炉用のMOX燃料集合体を製造すること。米デューク・エンジニアリング社と仏コジェマ社、およびストーン&ウェブスター社で構成される企業連合(DCS)は1999年3月、MFFFの設計・建設・操業について1億3,000万ドルの契約をDOEから受注した。
 MFFFの建設は、米国とロシア両国の兵器級余剰プルトニウムを、双方の核兵器削減のために処分するという2000年の「米ロ・プルトニウム管理処分協定」と並行して実施されるもので、DCSは2001年2月、米原子力規制委員会(NRC)に対してMFFFの建設許可(CA)を申請。2005年3月にCAが発給されたのを受けて、2007年8月から建設工事が始まった。
 しかし、2004年当時に18億ドルと見積もられていた総工費は、2007年の見積で48億ドルに上昇。その後さらに、68億ドルに拡大したことから、米国会計監査院(GAO)は2013年2月の報告書で、MFFF建設計画を財政的危険性の高い政策プログラムの1つに挙げている。
 建設工事の遅れも指摘されており、契約企業のCB&IアレバMOXサービス社(DCSから改名)の要請を受けたNRCは2014年11月、CAを2025年3月末まで10年延長することを許可した。しかし、着工当時に操業開始が予定されていた2016年になると、当時のB.オバマ政権が「MFFFの建設を打ち切って余剰プルトニウムは希釈・処分(D&D)を検討する」と表明。
 後続のD.トランプ政権もこの方針を支持しており、NNSAは2018年10月、CB&IアレバMOXサービス社に対してMFFFの建設終了を通知した。NRCも、同社からのその後の要請により、今年2月にCAの終了を決めている。

 (参照資料:NNSAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月20日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)