フォントサイズ:

トルコで建設中のアックユ原子力発電所、国内送電網との接続契約締結

2019年12月12日

アックユ発電所で4基すべてが完成した際の予想図
©ロスアトム社

 トルコ初の原子力発電設備となるアックユ発電所を建設中のロシア国営原子力企業ロスアトム社は12月9日、同発電所をトルコの送電グリッドと接続するための契約を国営送電会社(TEIAS)と締結したと発表した。
 ロスアトム社は、トルコに設置した子会社のアックユ原子力発電会社(ANPP)を通じて2018年4月から1号機を建設中で、TEIASとの契約もANPPが直接結んだもの。運転開始は2023年を予定しており、今年7月には同炉用の最初の大型機器としてコア・キャッチャーが建設サイトに到着した。2号機についても、本格的に着工する許可を今年9月にトルコの規制当局から取得済みで、これに続く3号機では部分的建設許可(LWP)を2020年第1四半期に取得できるよう、申請準備を進めている。

 アックユ原子力発電所建設プロジェクトは、2010年5月にトルコとロシアが結んだ政府間協力協定(IGA)に基づいて進められており、第3世代+(プラス)の120万kW級ロシア型PWR(VVER)を地中海沿岸のメルシン県に4基建設する。約200億ドルと言われる総工費は差し当たりロシア側の全額負担だが、返済のため、発電所の完成後にトルコ電力卸売会社(TETAS)がANPPから12.35セント/kWhの固定価格で15年間電力を購入する予定。発電所の設計・建設から運転、保守点検、廃止措置まで、ANPPが実施することを約束するなど、原子力分野で「建設・所有・運転(BOO)」方式を採用した世界でも初の事例となっている。

 今回の発表によるとANPPとTEIASは契約に基づき、同発電所と国内送電網を接続する6本の高圧送電線を含め、発電所としての配電体制構築に向けた全面的な作業を開始する。同発電所で発電された電力は、発電所の開閉装置から400kVの送電線を経由して6か所の変電所に送られることになる。
 送電グリッドとの接続契約は、トルコ電力市場法その他の規制関連法の下で要求される重要事項で、エネルギー・天然資源省(ETKB)の管轄下にあるTEIASは、国内すべての送電網について設置と運営、修理などを担当。アックユ発電所と接続する送電線に関しても、TEIASが全面的に設置とメンテナンスを実施する。

 ANPPのA.ゾティーバCEOは、「今後2~3年以内にトルコは、膨大な電力を途絶なく発電することが可能なベースロード用電源として、原子力発電所を初めて国内の送電システムに組み入れるだろう」と述べた。外部送電システムとの適合性パラメーターを常に監視することで、原子力発電所では信頼性の高い安全な運転を確保できると説明。アックユ原子力発電所プロジェクトは今回の接続契約締結により、いよいよ重要ステージに到達したと強調している。

 (参照資料:ANPPの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月10日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)