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米国で建設中のボーグル3号機、遮へい建屋に円錐形の屋根を設置

2019年12月16日

©ジョージア・パワー社

 米国のジョージア・パワー社は12月10日、国内で約30年ぶりの新設計画としてジョージア州内で建設中のA.W.ボーグル原子力発電所3、4号機(各110万kWのPWR)について、3号機のコンクリート製「遮へい建屋」の上部に、重さ約200万ポンド(約907トン)の円錐形の屋根を据え付けたと発表した(=写真)。
 遮へい建屋は、採用設計であるウェスチングハウス(WH)社製AP1000に特有の構造で、スチール製の格納容器を覆う最外壁として、原子炉を悪天候その他の外部事象から防護するとともに、放射線を遮へいする役割を担う。屋根は直径が135フィート(約41m)、高さ37フィート(約11m)という大型のもので、その据え付け作業は今年初頭、格納容器に天井部を設置したのに続いて行われた。ジョージア社は今の所、3、4号機の完成をそれぞれ2021年11月と2022年11月に予定。3号機の初装荷燃料は今年7月にすでに発注済みであり、2020年夏にもサイトに搬入されるとしている。

 ジョージア社は今回、3、4号機で最初の緊急時対応訓練を実施したことも明らかにした。緊急時計画では、事故等の事象に遭遇した際の対応措置が明記されており、今回の訓練は近隣住民の確実な防護に向けた包括的検証も含まれている。また、米原子力規制委員会(NRC)が来年、訓練の実施を予定していることから、これに先立ち各チームの準備作業を支援するとともに、原子炉が建設段階から運転段階に移行しつつあることを示すとした。
 現在、建設サイトでは8,000名以上の作業員が働いているが、運転開始後も800名分を超える雇用が確保されると同社は強調している。

 ボーグル3、4号機はそれぞれ、2013年3月と11月に本格着工したが、米国内では設計初号機であったため建設上の様々な問題に遭遇した。また、機器の製造からプロジェクト管理まで、建設工事を一括で請け負っていたWH社が、2017年3月に米連邦倒産法に基づく再生手続を申請したこともあり、両炉の完成日程は計画当初から約4年、遅延している。
 WH社の倒産申請により、米サウスカロライナ州で同様にAP1000設計を採用したV.C.サマー2、3号機の建設計画は中止が決定した。一方、中国の三門と海陽で2009年から2010年にかけて着工した4基のAP1000はすべて、世界初のAP1000として今年1月までに営業運転を開始している。

 (参照資料:ジョージア・パワー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月12日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)