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米NNSA、原子力事故時の大気中放射線計測で新たに3機の航空機 配備

2019年12月24日

新しい航空機に乗り込んだNNSAのゴードン=ハガティ局長(一番左)©NNSA

 米エネルギー省(DOE)の国家核安全保障局(NNSA)は12月19日、原子力や放射線関係の事故発生時に、大気中の放射線を探知・計測することを目的とした航空機を新たに3機、配備したと発表した。
 これらは、放射線探知用の特殊な「航空計測システム(AMS)」を搭載する15人乗りの固定翼航空機「King Air 350ER」で、海上等における警備やレスキューなどを想定して作られた連続長距離巡航が可能なモデル。NNSAの「原子力緊急時支援チーム(NEST)」はAMSと同機を使って、原子力事故や事象にともなう地盤の汚染状況と大気中の放射線量を速やかに計測するほか、大規模な公開イベント時の警備の一環として環境中の通常放射線レベルを基礎調査することになる。
 これらはまた、経年化が進んだ既存のAMS搭載航空機をリプレースするものだとNNSAは説明。米国の至る所で、原子力関係の事象を広範囲かつ迅速に評価する範囲を広げるなど、AMSの有効性を一層向上させる一助になるとしている。

 NNSAは2011年の福島第一原子力発電所事故発生時にも、AMSを搭載した固定翼機とヘリコプターを使って、発電所周辺における大気中の放射線レベルをリアルタイムで計測。科学者や技術者、その他の専門家で構成されるAMSプログラムのチームは得られた情報を分析、その一部を公開するなどして、推定被ばく線量地図の作成等に貢献した。
 今回の発表は、DOEのL.ゴードン=ハガティ核安全保障担当次官兼NNSA局長が、テロリズムと核拡散対抗担当のJ.チルデン次官補、カンザス州選出のR.エステス議員とともに、ワシントンDCのアンドルーズ統合空軍基地のイベントで行った。
 ゴードン=ハガティNNSA局長は、AMSの航空機がこれまでにも再三にわたり、大統領の就任式やスーパーボール、ボストン・マラソンといった注目の行事で、安全保障を支援してきたと指摘。このような配備は一般国民にはあまり知られていないが、米国民の安全を陰で支える重要機材の一部なのだと強調した。
 エステス議員も、「新たな航空機が納入されたことで、NNSAは原子力事象への確実な対応が可能になった」と明言。この目標の達成に向けて、地元州の航空機メーカーが大きく貢献したことを誇りに思うと述べた。

 (参照資料:NNSAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの12月23日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)