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ロシア:昨年12月から年始にかけ既存炉5基で運転期間を最長60年に延長

2020年1月15日

©ロスエネルゴアトム社

 ロシアでは現在、海上浮揚式原子力発電所に搭載の小型炉2基も含め35基(合計出力約3,000万kW)の商業炉が稼働中だが、これらのうち5基について昨年12月から今月にかけてそれぞれ運転期間が延長され、最長のもので60年間になることが明らかになった。
 ロシアで近年開発された最新鋭の第3世代+(プラス)のロシア型PWR(VVER)は、運転期間が当初から60年に設定されているが、それ以前のVVERにおける運転認可期間は最大30年。この年数が経過しつつある商業炉については、連邦政府の原子力発電所開発プログラムと民生用原子力発電公社のロスエネルゴアトム社による「2013年~2023年までの運転期間延長プログラム」に基づき、運転期間が適宜10~25年の幅で延長されている。
 ロスエネルゴアトム社は、高経年化した既存炉で改修工事を行い運転期間を延長することは世界中で実行されている効果的な良好事例だと指摘。取替用の原子炉施設を建設する準備が整うまで、十分な時間を確保する上で非常に重要との認識を示した。2001年以降、昨年12月27日までに国内で27基の原子炉の運転期間が延長されたが、このうち3基についてはすでに運転が終了。現在、廃止措置の準備中だと説明している。

 昨年12月17日には、1989年に送電開始したスモレンスク原子力発電所(=右写真)3号機(100万kWのRBMK)について、15年間の運転期間延長が承認され、同炉は2034年まで45年間の稼働が可能になった。同月の20日にはまた、連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)が、コラ原子力発電所2号機(44万kWのVVER)に対し、15年間の運転期間延長を許可。1974年に送電開始した同炉は、2004年時点ですでに1回、運転期間が15年延長されていたため、合計の稼働期間は2034年までで60年に達する。
 同月27日にはさらに、極東地域のビリビノ原子力発電所で2号機(1.2万kW、EGP-6)の運転期間が6年間延長された。同炉も2004年に15年間の期間延長が許されており、最終的に2025年末まで合計51年間運転を継続することになった。30日になると、ROSTECHNADZORがノボボロネジ原子力発電所4号機(41.7万kWのVVER)について2回目の運転期間延長を承認。1972年に送電開始した同炉の運転期間も、2032年までで合計60年に達する予定である。

©ロスエネルゴアトム社

 このほか、年明けの今月10日、ROSTECHNADZORはロストフ原子力発電所(=左写真)1号機(100万kWのVVER)の運転期間を2031年末まで延長する新しい認可を発給したと発表した。同炉は2001年2月に送電開始したが、何らかの理由により当初の運転期間が2020年までに設定されていた模様。今回の延長より、同炉も標準的なVVERと同様、30年間稼働することになった。

 ロストフ発電所の4基(各100万kWのVVER)は2019年中に目標値を超える合計約340億kWhを発電しており、ロシア南部地方における信頼性の高い電力供給源となっている。その他の発電所も2019年の発電実績は良好で、コラ発電所の4基(各44万kWのVVER)は100億kWhを超える電力を発電。ノボボロネジ発電所では出力の大きいⅡ期工事1、2号機(各110万kW級VVER)が2017年と2019年末にそれぞれ送電を開始したことから、ロシアの原子力発電所による総発電量の約10%分に相当する約210億kWhを発電したとしている。

 (参照資料:スモレンスク3号機コラ2号機ビリビノ2号機ノボボロネジ4号機ロストフ1号機の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの2019年12月17日付、23日付、30日付、2020年1月10日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)