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カナダの深地層処分場計画:最終候補2地点のうち1地点と調査のための立入で合意

2020年1月28日

今回、NWMOと合意文書を交わした地主の1人で農夫のD.アイルランド氏(=写真)は、「このコミュニティで生まれ育った私にとって古里とも呼べる土地だが、処分場プロジェクトがこのエリアに長期的な繁栄をもたらす可能性があることは良く理解している。将来的にも持続可能で豊かなコミュニティとなるよう協力したい」と述べた。©NWMO

 カナダの核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は1月24日、使用済燃料の深地層最終処分場建設計画で立地候補地点として残っている2地点のうち、オンタリオ州南部のサウスブルース地域の地主らと調査のための立入等で合意したと発表した。
 これにより、NWMOは今後数か月のうちに同地域で試験抗の掘削や基本的な環境モニタリング等の作業を開始し、処分場建設地としての適性を評価する。NWMOは同じくオンタリオ州の北西部イグナス地域でも、2017年11月から同様の調査を実施中で、2023年までにこれらのうち使用済燃料の安全かつ長期的な処分に適し、施設の受け入れに協力的な好ましい1地点を最終的に確定する。
 昨年11月の時点では、サウスブルース地域と隣接するヒューロン=キンロス地域も候補地点に含まれていたが、NWMOは今回、同地域を潜在的な候補から外すと明言。ただし、サウスブルース地域の隣接区域として、今後もサイトの選定活動に大きな役割を果たすと述べた。

 カナダでは使用済燃料を直接処分するための国家方針として「適応性のある段階的管理」(APM:Adaptive Phased Management)が2007年に採択され、NWMOは処分の実施主体として、処分場の建設から操業までを含む「サイト選定プロセス」を2010年に開始した。2012年9月末までに国内の22地点が施設の受け入れに関心表明したが、NWMOは2017年12月までにこれらをオンタリオ州内の5地点まで絞り込んだ。それ以降はプロセスの第3段階として、これらの自治体の「潜在的な適合性の予備的評価」を実施中。机上調査を行う第1フェーズを終えた後、地質学的調査や制限付き掘削調査などの現地調査を行う第2フェーズの作業を進めている。

 現地調査の実施権取得を目的とした「土地への立入プロセス」は、2019年5月にサウスブルース地域で始まっており、NWMOは今回合意文書を交わした地主も含めて複数の地主と交渉。これまでに合計約526ヘクタールの土地でこの権利を確保した。合意文書には、NWMOが土地を購入する取引のほかに、選定した土地で調査を実施しつつも地主が土地を継続的に利用できる「リースバック」取引も含まれるが、仮にこれらの土地で最終処分場を建設する場合、NWMOはこれらを購入することになっている。
 NWMOは今後さらに数か月から数年間にわたり、既に合意を得た土地に隣接する地主らとも協議を続け、処分場の建設に必要な約607ヘクタールまで土地を追加で確保していく方針である。

 (参照資料:NWMOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの1月27日付「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)