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原子力安全の若手リーダーを育成する「IAEA国際スクール」が初の日本開催、東海大共催

2020年2月17日

「IAEA国際スクール」開講式(東海大校友会館にて)

 IAEAが主催し東海大学が共催する「IAEA国際スクール 原子力・放射線安全リーダーシップ」が2月17日に開講した。
 これは、IAEAが2017年より実施している研修コースで、国際感覚に秀でた原子力・放射線安全の若手リーダーの育成を目的としており、今回、初めての日本開催となった。IAEA標準に基づき、原子力・放射線利用に関わる各国の若手・中堅の研究者、技術者、行政官らを対象に、ケーススタディやゲーム形式の演習など、ロールプレイ体験を通じて安全最優先の意識を養うもので、これまでの参加者から高い評価を得ている。
 カリキュラムは28日までの2週間にわたり、日本、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、バングラデシュ、モロッコから集まった29名の参加者は、東海大学湘南キャンパス(神奈川県平塚市)で講義、演習に取り組むほか、25日には福島へ移動し、福島第一原子力発電所や日本原子力研究開発機構の楢葉遠隔技術開発センターなどを見学する。

カリキュラムを説明するIAEAのマリック氏

 東海大学校友会館(東京都千代田区)で行われた開講式で、主催者を代表し挨拶に立ったIAEAプログラム戦略コーディネーション課長のマリック・シャヒード氏は、参加者らに対し、歓迎の意を述べるとともに、「学ぶだけでなく、ネットワーク作りの機会でもある」と、同国際スクールの人脈形成の場としての意義も強調。
 来賓として訪れた文部科学省研究開発局原子力課長の清浦隆氏は挨拶の中で、福島第一原子力発電所の廃炉や研究炉の新規制基準対応などを例に、日本の原子力分野の人材確保が危機的状況にあることを訴えた。また、原産協会理事長の高橋明男氏は、産官学連携の「原子力人材育成ネットワーク」による海外人材育成の取組に触れた上で、各国の参加者らに「是非実りある時間を過ごして欲しい」と、同国際スクールを通じスキルアップが図られることを期待した。
 東海大学では、これまでも原子力分野の人材育成に力を入れており、開講式でスピーチを行った副学長の吉川直人氏は、経済産業省と文部科学省の共同事業「原子力発電分野の高度人財育成プログラム」(GIANTプログラム、2008~12年)や、国際原子力開発(JINED)との協力で実施したベトナムの発電所幹部候補生を対象とする人材育成プログラム(2012~18年)などを紹介した。